俳優 松尾諭さんインタビュー（2025年12月25日掲載）

舞台紹介『２時２２分 ゴーストストーリー』

サムとジェニーの夫婦は、最近ロンドン郊外に古い家を購入し、リノベーションしながら住み始めたばかり。赤ん坊のフィービーと共に、幸せな毎日を送るはずだった。ある晩、友人のローレンとそのボーイフレンドであるベンをディナーに招待したジェニーは、毎日夜中の２時２２分に2階の子供部屋のベビーベッドの周りを歩き回る音がすると打ち明ける。ジェニーはその音は幽霊だと信じているが、サムはそんなジェニーの考えを信じない。ジェニーはローレンたちに２時２２分までこの家に留まり、何が起こるか一緒に見届けてほしいと頼む。やがて4人が迎える２時２２分――果たして彼らを待ち受けるものとは……？

松尾さんといえば、自販機の下に落ちていた航空券を拾ったことで今の事務所の社長さんと出会われたという運命的な話が有名ですね。普段から常に何か意識を巡らせていらっしゃるのでしょうか。その「センサー」の正体が知りたいです。

　やっぱり根本にあるのは「好奇心」ですね。好奇心が人一倍強いのかなと思います。面白いものとか、拾えるものはないかなって、常にアンテナを張っているんです。今は情報が勝手に入ってくる時代なので、自分から探しに行くことって少なくなっているような気もするんですけど。人と話している時も、会話の中に何か落ちていないかなって常に思っていて。好奇心を持つことは、俳優の仕事にも人生にも役立っていると感じますね。

今回の舞台『２時２２分ゴーストストーリー』では、演出家の森新太郎さんと初めてご一緒されることがとても楽しみだったとか。

　森さんの舞台は以前から拝見していて、動きがきっちり計算されていて美しいんですよね。僕は、その場の空気で「こっちに動いたらどうなるかな」って探りながら演じることが多いので、どうなっていくのかが楽しみです。「こう動いて」って言われたら「はい！」って従いますけど（笑）、どうなるかは幕が開いてからのお楽しみかな。

本作の役のために何か準備されたり、取り組んでいることはありますか？

　特別な役作りはしていないですね。お芝居って自分一人でできるものじゃないよなって思うところがあって。自分だけで役を固めてしまうと、それを相手に押し付けることになっちゃうなと思っているんです。いろんな人が集まって、知識を共有してひとつの作品になる。そうやって一人では辿り着けない場所に行けるのが、僕の思う「ものづくり」なのかなと思います。

体力勝負の舞台ですが、松尾さんは健康への意識が高いと伺いました。健康には「食事」「運動」「休養」の3軸が大切だと言われていますが、「食」の面で意識されていることはありますか？

　腸活をしていますね。以前、内視鏡検査をした時に「めちゃくちゃ綺麗な腸ですね！」って褒められたのが自慢です（笑）。ただ、これは食べちゃいけないとかあまりストイックになりすぎず、ほどほどにバランスをとるのが大事かなと思っています。あとは、旬のものを食べること。道の駅に行くのが好きなので、そこで季節や土地ならではの野菜を買って楽しんでいます。栄養面だけじゃなくて「美味しいな」って感じる心も大事にしていますね。やっぱり、美味しく食べることって一番の健康法だと思うんです。

「運動」面ではいかがでしょうか？

　最近は「足の指」を鍛えていますね。トップアスリートを見ているトレーナーさんに教わったんですが、足の指がちゃんと使えていないと体のバランスが崩れて膝とか腰の痛みに繋がると聞いて。今は、普段歩く時から足の指を使うように意識したり、一本下駄を履いて足指から全身を強化するトレーニングをしています。あとは、水泳ですね。家の近くに400円で入れる区民プールがあるんですけど、まだあんまり泳げなくて。そこで優雅に泳ぐために、今はスイミングスクールに通っているんです（笑）。プールに行くためにスクールに通うなんて、なかなかいないですよね（笑）。

「休養」面について、例えば心が休まる・温まるような時間はどんな時ですか？

　美味しいお店を見つけた時に、心が温まるような多幸感にひたる瞬間だったり、家族の寝息を聞きながら眠りにつく時だったりしますね。僕は秒で寝ちゃうんで、本当に一瞬のことなんですけどね（笑）。

最後に、2026年はどんな年にしたいですか？ 抱負をお願いします。

　今、執筆中の本を書き上げたいですね！新しいことへの挑戦も忘れずに、好奇心のアンテナを張り続けていきたいです！

ありがとうございました！