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俳優 内藤剛志さんインタビュー(2020年4月25日掲載)

デビューからおよそ40年。主役としても名脇役としても、今やドラマに欠かせない存在となった内藤剛志さん。現在放送中の『警視庁・捜査一課長2020』は、連続ドラマでは2年ぶりに放送となるシリーズ4作目です。ドラマの見どころと、内藤さん独自の健康法についてお話を伺いました。

ヘアメイク/長縄希穂(MARVEE) スタイリスト/藤井享子 撮影/梁瀬玉実

デビューからおよそ40年。主役としても名脇役としても、今やドラマに欠かせない存在となった内藤剛志さん。現在放送中の『警視庁・捜査一課長2020』は、連続ドラマでは2年ぶりに放送となるシリーズ4作目です。ドラマの見どころと、内藤さん独自の健康法についてお話を伺いました。

2012年から続く大人気シリーズも今回で4シーズン目。内藤さん演じる捜査一課長は、今ではバッチリ板に付いています。

シリーズ初回の制作時から数えると、約10年間も続いている作品なんです。当時は震災直後で、ロケ地を抑えたりなど多くの方から助けを受けました。以来、今日までずっと刑事役を務めてきましたが、改めてドラマ作りと刑事の仕事はよく似ているなと感じます。ドラマが放送されるまでには色々な苦労がありますが、それは刑事も一緒。犯人逮捕までに、見えない努力とチームプレイを積み重ねているんです。
今回は、そんな“陰の頑張り”も画面越しに伝えたいですね。

主人公の大岩純一を通じて、学んだことはありますか?

“ちゃんとすることの素晴らしさ”でしょうか。大岩って、決して天才刑事ではないと思うんです。ごく普通の人間なんですけど、きちっと仕事に向き合うことで着実にキャリアを形成していく“努力の達人”。そういう意味では、これまで多くの人に夢や希望を与えてきた存在なのかなと思います。
僕自身、大岩という役を通じて、真面目に淡々と積み上げることが栄光に繋がるのだと改めて感じさせられました。

視聴者からは「理想の上司」としても愛されています

大岩は、自分の下に人を作りません。だから、作中でも「ホシを挙げろ」ではなく、「ホシを挙げる」と言う。一つ高い位置から命令するのではなくて、皆と同じ立ち位置で集団を率いるのが彼の長所なんです。その上、いざというときは「俺が全責任を取る」と言える覚悟も持ち合わせていますから、本当に信頼の厚い上司だと思いますね。
私にとっても、間違いなく彼は理想のリーダーです。

デビューからおよそ40年が経つ現在も、テレビに映画と大活躍の内藤さん。健康の秘訣は?

一番は、親から授かった丈夫な体です。何しろ50歳まで虫歯にならなかったほどの健康体ですから、親には本当に感謝しています。
健康法で言えば、日常的に体を動かすことは意識していますね。その分、食事は好きなものばかり食べているけど(笑)。エネルギーが不足して撮影現場で倒れるのもイヤだから、普段からお肉中心のスタミナがつくご飯を心掛けています。お酒やタバコは、50歳を境に控えるようになりましたね。

タバコをやめたきっかけは?

テレビの健康情報番組に出演した際、ちょうどタバコに関する特集をやっていて。勢いで「じゃあやめるよ」って言ったんです(笑)。そこからスパッと断ち切りました。
ただ、50代に入る手前でやめるきっかけを探していたのは事実です。走ってもすぐ息が上がるようになって、「タバコ、良くないな」と…。そう思っていた矢先のテレビ出演だったので、結果的に禁煙宣言をする良い機会になりました。

まさに有言実行ですね!

それもこれも、結局は命に対する感謝なのかもしれません。まだ10代だったころ、自分が産まれた経緯を改めて聞かされたことがあったんです。母は妊娠中に病気を患い、出産をあきらめるか麻酔なしの手術をするかの決断を迫られ、後者を選んだ。その末に僕が誕生したのだと…。
母の選択によっては、僕は産まれていなかったのかもしれない——
そう考えると、やっぱり自分の命は大切にしなきゃいけないなと思いますよね。いまも歳を重ねるたび、「もらった命を大事に生きよう」という気持ちが強くなっています。

体を労わることは意識していると。

そうですね。生まれつきの健康体とは言いましたが、それでも40代後半からは年に一度人間ドッグを受診するようになりました。
年齢を重ねると、血圧や尿酸値って当然のように上がるじゃないですか。僕は、それを放置せずに記録することが大事だと思っているんです。自分なりの基準値を決めて体の変化を記録すれば、体調を崩してもどう対処すべきか分かる。そうやって、健康は維持できるんじゃないかと思います。

これから先、新しくやってみたいことはありますか?

定点から抜け出すこと———かな。どこか居場所を変えて、改めて自分と向き合う時間を作りたい。若い頃はあちこち好きなところへ行く時間がありましたけど、最近は同じ場所から動けていない気がして…。
だから、もう一度昔のように知らない土地へ足を踏み出す。行き先はどこであれ、何かしらテーマを定めて行けば、新しい価値観が得られると思うんです。それがきっと、仕事にもプラスに働くはずだから。

最後に、読者にメッセージを。

いま、病気で辛い思いをされている方もいらっしゃると思います。でも、「なんで自分だけ…」とネガティブにならないで欲しい。僕が65年間生きてきて思うのは、“人生は必ずしも平等ではない”ということ。タバコを吸っていても元気な人はいれば、若くして癌になってしまう人もいる。僕の周りでも、そういった仲間を実際に見てきました。
でも、人はその不平等な人生を受け入れて、頑張って生きていくしかないと思うんです。たとえ自分がその身になったとしても、僕は果敢に戦いたい。だから、隣の人を羨ましいと思うのではなく、自分の人生を生きることを最後まで全うしてほしいと思います。

テレビ朝日系木曜ミステリー
『警視庁・捜査一課長2020』

毎週木曜よる8時~放送中!

脚本:深沢正樹 田辺満 ほか
監督:池澤辰也 木川学 濱龍也 ほか

出演:内藤剛志
斉藤由貴 本田博太郎 矢野浩二 鈴木裕樹
塙宣之(ナイツ) 床嶋佳子 金田明夫 ほか

制作:テレビ朝日/東映
https://www.tv-asahi.co.jp/ichikacho2020/

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