ヤクザの組長、聾唖の画家、浮気癖のあるカメラマン。多種多様な役柄を見事に演じ、ファンを魅了し続ける豊川悦司さん。9月公開『ミッドウェイ』では、昭和海軍の名将・山本五十六を演じます。ハリウッドの現場で改めて感じた芝居の楽しさ、そして、役者としての〝これから〟をお話頂きました。
世界中が戦火の渦に巻かれた第二次世界大戦。その中で、日本とアメリカが衝突し、互いの命運を分けるターニングポイントとなった激戦・ミッドウェイ海戦。両軍ともに自国を愛し、覚悟をもって臨んだ決死の海上戦。勝敗を分けたものとは?
アクション映画の巨匠、ローランド・エメリッヒ監督が20年に及ぶリサーチを経て、両軍に敬意を捧げて製作した超大作。
そして何より、山本五十六はこれまで三船敏郎さんや山村聡さんといった大先輩方が演じられてきた高名な役。その末席に加えていただけたことは、大変光栄に思います。
作品に関して言えば、日本の歴史や伝統に大きな敬意が払われていたと思います。それは作中の軍艦や空母の再現にしてもそうだし、これまで語り尽くされてきた日米戦争という題材に対して「改めて史実を見つめ直す姿勢」もそう。自分たちで新たな事実を探っては、具体的なアイデアとして作品に取り入れる。映画に対して真摯に向き合う姿勢と、熱量の高さには感銘を受けました。
「誰も僕を知らない」っていう新鮮な環境で演じられたことは楽しかったかな。そのおかげで、変な気遣いがなかったというか。演技に対してOKか、そうでないかがすごくハッキリしていた気がします。そういう意味では、改めて僕に〝芝居〟を教えてくれた現場だったと思うし、だからこそ「もう一度やりたい」という気持ちも湧きました。
そうですね。ハリウッド俳優の方々からは学ぶことが多くて、特に印象的だったのは彼らの「自然な演技」。僕たち日本人だったら大げさに演技しがちなシーンでも、基本的にナチュラルに演じるんです。決して表現者側が感情を盛ることはせず、ナチュラルかつドライに演じることで「読み手に感情を読ませる」手法と言うんでしょうか。それは僕ら日本人俳優にはないものであり、「好きだな」と感じるポイントでした。
コロナウイルスで、一時ドラマ界はダメージを受けたりもしたけれど、同時に「昔のドラマを現代と照らし合わせて考えながら観る」良い機会にもなったんじゃないかな。
新しいことに出会い続けられたら良いな、と思います。今回の映画でも色々な気づきがあったように、「この歳だからこそ」感じられることはまだまだあるはず。演技でもプライベートでも、そういった〝新鮮さ〟を大事にしたい。
健康面では、年齢に相応しく日々過ごすことかな。朝は早く起きて、陽の光を浴びて体内時計をリセットする。夜も深くまで起きずに早寝するなど、基本的なことはこれからも変わらずに気をつけていきたいです。
9月11日(金)
TOHOシネマズ 日比谷
他全国ロードショー
監督・製作:ローランド・エメリッヒ
出演:エド・スクライン パトリック・ウィルソン
ルーク・エヴァンス アーロン・エッカート
豊川悦司 浅野忠信 國村隼
マンディ・ムーア デニス・クエイド ウディ・ハレルソン
配給:キノフィルムズ|木下グループ
公式HP:https://midway-movie.jp/
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