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俳優 堀部圭亮さんインタビュー(2022年5月25日掲載)

役柄問わず「何かあるはず…」と思わせる味のある演技で、抜群の存在感を放つ堀部圭亮さん。舞台・映画・ドラマなど、多くの作品に出演され幅広い年代に人気を博しています。6月25日(土)から上演される舞台『室温~夜の音楽~』では、ホラー作家役を演じられる堀部さんに、作品の魅力や役作りにかける思い、芸能生活40周年を迎えた今でも元気に仕事を続けられる秘訣をお伺いしました。


堀部圭亮さんプロフィール

東京都出身。1986年にお笑いコンビ「パワーズ」としてデビュー、92年に勝俣州和と“K2”を結成してバラエティ番組で活躍(2001年解散)。96年に映画『弾丸ランナー』の出演で俳優としても注目を集める。07年からは『ダウンダウンのガキの使いやあらへんで!』などで放送作家として、09年には『悪夢のエレベーター』で映画監督としても活躍。近年は俳優活動を中心として、数多くのテレビ・映画・舞台に出演する。最近の主な出演作に【舞台】『ポルノグラフィ』、『チョコレートドーナツ』【映画】『Fukushima 50』『his』【ドラマ】『カムカムエブリバディ』(NHK)、『今夜コの字で Season2』(BSTX)、『さまよう刃』(WOWOW)、『共演NG』(TX)など。

 役柄問わず「何かあるはず…」と思わせる味のある演技で、抜群の存在感を放つ堀部圭亮さん。舞台・映画・ドラマなど、多くの作品に出演され幅広い年代に人気を博しています。6月25日(土)から上演される舞台『室温~夜の音楽~』では、ホラー作家役を演じられる堀部さんに、作品の魅力や役作りにかける思い、芸能生活40周年を迎えた今でも元気に仕事を続けられる秘訣をお伺いしました。

舞台『室温~夜の音楽~』~あらすじ~

 田舎でふたり暮らしをしているホラー作家・海老沢十三(堀部圭亮)と娘・キオリ(平野綾)。
12年前、拉致・監禁の末、集団暴行を受け殺害されたキオリの双子の妹・サオリの命日の日に、様々な人々が海老沢家に集まってくる。巡回中の警察官・下平(坪倉由幸)、海老沢の熱心なファンだという女・赤井(長井短)。タクシー運転手・木村(浜野謙太)が腹痛を訴えて転がり込み、そこへ加害者の少年のひとり、間宮(古川雄輝)が焼香をしたいと訪ねてくる。
偶然か…、必然か…、バラバラに集まってきたそれぞれの奇妙な関係は物語が進むにつれ、死者と生者、虚構と現実、善と悪との境が曖昧になっていき、やがて過去の真相が浮かびあがってくる…。

あまり聞き馴染みのない、「ホラー・コメディ」というジャンル。一体どんな舞台なのでしょうか?

 人には言えないような過去の罪、人間が抱える闇がどんどん表に出てきます。その闇を笑いに変えるのがケラさん(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)の脚本。ゾッとするホラー的な要素がつまった緊張感のある物語だけど、思わずクスッと笑っちゃうようなコメディ要素が上手く融合しています。

例えば、どのような場面でしょうか?

 とてつもない窮地に陥ったときの言い合いが面白かったりします。この作品は「思わず笑っちゃったけど、なーんかひどいことになってない?…不快だなぁ…後味悪いなぁ…けど不思議と心地良い…あっ!ホラー・コメディってそういうことか!?」そんな感じです。上手く言い表せないけど、現象で怖がらせるんじゃなくて、ジワっと怖くて気持ち悪くなるような。でもそれが面白い。ぜひ、劇場に「不快に」なりにきてもらいたいです。

堀部さんの役どころとは?

 僕の役は「何かあるぞ」感たっぷりのホラー作家の役で、自分の娘との関係など、表に出せない闇を抱えています。最終的にはひどいことになっちゃうんですけど、その経過に面白みを感じてもらえると思います。

舞台作品だからこその「面白み」は何でしょうか?

 観客と演者が同じ空間にいて、「一緒に作品をつくる」ことですね。稽古場でつくれるものって100%ではないので。観客の皆さんも作品の一部であり、皆さんが劇場に入って初めて作品は完成します。

 それに舞台は生きているようなもの。もちろんトラブルもあります。以前出演させていただいた舞台で、開演して6~7分でお客様が通路で倒れてしまったことがあって。そこで一旦お芝居は止まって、10~15分後に再開したのですが、また最初から演じることに。冒頭の7分は観客の皆さんも一度見ているにも関わらず、同じリアクションをとってくれる。演じる側と観る側が、お互いのルールを把握した上で同じ時間を共有する、不思議なことだと思いましたし、その特別な空間が舞台の面白さだと感じましたね。

本作でも抜群の存在感を発揮し、「何かある感じ」を漂わせる堀部さん。役作りで意識していることはありますか?

 目の前の役者さんに向けてセリフを言うのではなくて、観客やテレビの前の方に向けてセリフを言う、という感覚は大切にしています。作品の中だけで感情をぶつけても、見ている人には何も届かないと思うから。観客の方が思わず「自分に向けて言っている?」と感じてくれたら嬉しいです。

16歳からお仕事を始められ、今年で40周年を迎えられます。元気に仕事を続けられる秘訣はありますか?

 ジムでトレーニングをして、といった決まりは作らないですね。わざわざジムに行かなくても、自宅で運動を続けられるようにダンベルなど簡単なものは用意しています。

お酒をよく飲むんですけど、よくある「週1は休肝日」みたいな周期的なサイクルが苦手で。1年間分の休肝日をまとめてとっています。1年で52週だから、52日間。だいたいいつも年明けから始めて、3月末の自分の誕生日頃にはお酒解禁って感じですね。

 食事は海藻と玉ねぎを意識して摂っています。海藻はガン予防、玉ねぎは食べると血液がサラサラになって血栓が出来ないって聞いて。昔、撮影で韓国に行ったときに食べた、銀のボールに山盛りに入った生の玉ねぎの美味しさには驚きました。それから玉ねぎを好んで食べるようになり、コチュジャンなどをつけて食べています。撮影の前日など、からいものを控えるときは玉ねぎの錠剤をのんでいます。玉ねぎは摂らなければいけない、ってある種の強迫観念を持っています(笑)

56歳の堀部さんですが、今後どのように歳を重ねていきたいですか?

 僕は自分の年齢を信用していなくて。56歳とか絶対嘘だって思っています。感覚的にはやっと30歳になったくらい。そう思うのは、まだまだ現役で活躍されている先輩方がいるから。一昨年、舞台で共演した草笛光子さんが「今後も舞台を続けたい、やっていないと俳優の芯が狂う」っておっしゃっていて。当時85歳の草笛さんがそうおっしゃるのだから、僕もまだまだだなって思います。だから今でもずっと駆け出しの若手の気持ち。40歳くらいの後輩からは、その考え方やめてください、なんて言われちゃうけど(笑)「年齢なりに」とか「もう○歳なんだから…」って言う人がいるけど、「もう」って何だろうって思いますね。誰が決めた基準なんだ、って。あまり歳を気にせず、これからも過ごしていきたいと思います。

6月25日(土)~7月10日(日)
世田谷パブリックシアター
7月22日(金)~24日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

【作】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【演出】河原雅彦
【音楽・演奏】在日ファンク
【出演】古川雄輝 平野綾 坪倉由幸(我が家) 浜野謙太 長井短 堀部圭亮 ほか
【企画・製作】関西テレビ放送
【公式HP】https://www.ktv.jp/shitsuon/
【お問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00-15:00)

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