幾多の舞台経験を経て鍛えられたその存在感と演技を持って、テレビや映画などの映像作品にも活動の場を広げる神野三鈴さん。7月9日(土)から上演される舞台『ダディ』では、主人公の母親役を演じられる神野さんに、本作の魅力や舞台作品を楽しむ秘訣、美しくも可憐な印象を与える若々しさに紐づいた、とっておきの健康法をお伺いしました。
神奈川県出身。テネシー・ウィリアムズが描くガラスのような精神に共鳴し、それを演じたいという衝動で女優になる。『三谷版 桜の園』『組曲虐殺』で第47回紀伊国屋演劇賞個人賞、『マクベス』『組曲虐殺』で第27回読売演劇大賞最優秀女優賞、『All My Sons』で第28回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。他の近年の主な出演作に舞台『ザ・空気ver.3 そして彼は去った…』(21)、『オレステイア』(19)、映画『ちょっと思い出しただけ』(22)『37セカンズ』(20)ドラマ『マイファミリー(TBS)』(22)『ダブル(WOWOW)』(22)など。9月9日に映画『LOVE LIFE』(深田晃司監督)『百花』(川村元気監督)の2作品の公開が控えている。
若いアフリカ系アメリカ人のアーティストであるフランクリン(中山優馬)は、LAに住むセレブの初老アートコレクターであるアンドレ(大場泰正)に出会い、その魅力に抗えず、二人は熱い関係を深めていく。フランクリンの友人で駆け出しの俳優、マックス(原嘉孝)やインフルエンサーのベラミー(前島亜美)、そしてフランクリンの才能を見出すアートディーラーのアレッシア(長野里美)は二人の関係に関して黙認するが、クリスチャンでこうるさいフランクリンの母親、ゾラ(神野三鈴)は、自分の息子が危険にさらされていると疑いを持つ。そして、彼女は彼ら二人の関係を崩そうとアンドレを追い詰めていくのだが・・・。
大きく分けて、2つあります。1つ目は、今の時代だからこそできる舞台であること。人種問題を扱う作品は、ビジュアル面など様々なハードルがあったので難しかったのですが、今回この作品で、素晴らしい才能のアフリカ系アメリカ人の作家(ジェレミー・O・ハリス)により彼らの今を感じて頂けること。
2つ目は、「普遍的に私たちが感じられること」が描かれていること。優れた作品って、どの国や環境の人間でも、共通して感じられる何かがあるんです。『ダディ』で言うと、「父親の不在」ですね。主人公のフランクリン(中山優馬)には父親がいないんです。その上で、父親の存在が子どもに与える影響って何なんだろう、といったことが非常に面白く、多面的に描かれています。
非常に厳格なクリスチャンであり、子どもが道を踏み外さないように育てなきゃって奮闘します。
多いですね~! 以前も舞台で生田斗真さんの母親役をやりました。役の種類でも、母親役が圧倒的に多いですね。日本映画でも、私のような年代の恋愛映画はあっても良いと思うんですけどね。私自身には子どもはいないけど、代わりにたくさんの猫と子どものような夫はいます(笑)。意識していることは、役を超えて親のような気持ちで応援することかな。
今作で言えば、主人公の優馬くん(中山優馬)から、役についてもっと知りたい・本物になりたい、という強い意志を感じるので「いい息子だな!」って思いますね(笑)。作中では彼の一番の理解者でいよう、役者としての彼の才能と可能性を見守っていこう、という気持ちを大切にしています。
ぜひ、登場人物と一緒に旅ができるような体感をしていただきたいです。このご時世、旅行に行くのもちょっと大変だったりしますよね。舞台は、自分以外の人生を見ながら共感したり、違う考えを持ったりできる、「自分を抱きしめる場所」だと思うんです。
『ダディ』は、今までの世界だったらきっと誰も挑戦・上演しようとは思わない作品です。やっと他の戯曲と同じように皆さんのもとにお見せできること、私たちの肉体と感性を通してお届けできることを非常に幸せに思っています。ぜひ、劇場に見届けにいらっしゃってください。
やっぱり、「食べ物」が一番大事だと思っています。旬のパワーある食材や、オーガニックのものが好きです。毎日必ず摂っているのは、生のヘンプオイル。麻のオイルですね。麻って麻の実とか、古代から日本人にもすごく馴染みが深くて。昔ニューヨークに住んでいたときにブームになったんだけど、摂り始めたら本当に肌が変わりました。熱に弱いので生食でサラダやパンにつけて食べています。他にもアマニ油とか、種子から採れるフレッシュな油を摂るようにしています。
1日の内のどこかで摂れれば、と思っています。長期で撮影があるときは持って行っていますね。稽古場の冷蔵庫にもストックしています。
最近のおすすめは、何と言っても発酵食品!素晴らしいです。発酵させてつくるリンゴジュースを愛飲しています。体の内側、腸から効果を感じる気がして。それに腸を大事にしていれば、大概大丈夫な気がします。仲の良い役者さんたちと一緒に「腸内会」をつくるほど、腸内環境には気を使っていますね。
自分の第2、第3ステージを見つけて、前向きに自分らしく生きようとしている先輩方が私にとってはお手本ですね。ネバートゥレイト(何事も遅すぎることは無い)の精神を今後も大切にしたい。もちろん、今からバレリーナにはなれないけど、子どもの頃に心の中に置いてきた「やりたいこと」を、歳をとった今だからこそ引っ張り出してくるのも悪くないんじゃないかな。そのとき一番やりたいことに向き合い、今後も楽しみながらチャレンジしていきたいです。泣く・笑う・しゃべる、喜怒哀楽も大切にしながら!
東京公演:2022年7月9日(土)~7月27日(水) 東京グローブ座
大阪公演:2022年8月5日(金)~8月7日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【作】ジェレミー・O・ハリス
【演出】小川絵梨子
【出演】中山優馬 大場泰正 原嘉孝 前島亜美 谷口あかり 菜々香 長野里美
神野三鈴
【公式サイト】www.daddy-stage.jp
【公式Twitter】@daddy_stage
【チケットに関するお問い合わせ】
キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00)
【企画製作】ミックスゾーン