名実ともに日本を代表する女優であり、今もなお現役で走り続け多くのファンを魅了している大竹しのぶさん。テレビや映画、舞台など多方面で活躍している大竹さんが今回演じるのは、2人の娘をショービジネスで成功させるために奮闘する母親役です。圧倒的な存在感がありつつも、チャーミングな笑顔が素敵な大竹さんに今作の見どころや体力づくりの秘訣をお伺いしました。
1975年映画「青春の門-筑豊編-」ヒロイン役で本格的デビュー。その鮮烈さは天性の演技力と称賛され、以降、気鋭の舞台演出家、映画監督の作品には欠かせない女優として圧倒的な存在感は常に注目を集め、ジャンルにとらわれず才能を発揮。作品毎に未知を楽しむ豊かな表現力は、主要な映画、演劇賞を数々受賞し評価される。世代を超えて支持され続けている名実ともに日本を代表する女優。 2011 年に紫綬褒章を受勲。2021年には、東京 2020オリンピック閉会式に出演。近年の主な舞台に 『ピアフ』や『女の一生』などがある。 2023年には本作だけでなく、舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』への出演も決定している。 ローズ(大竹しのぶ)は、2 人の娘ルイーズ(生田絵梨花)、ジューン(熊谷彩春)をヴォードヴィルの世界で活躍させようと躍起になるステージママ。オーディションで知り合ったハービー(今井清隆)と一座を作り、あちこちの地域の劇場へ娘たちを売り込んでまわる、・・・その姿は、まるでジプシーのよう。やがて、下の娘ジューンが脚光を浴び始めるが、結局自分のわがままで売れるチャンスをふいにしてしまう。さまざまな出来事の中、ジューンが愛想をつかし一座の青年タルサ佐々木大光(7 MEN 侍 ジャニーズ Jr.)と駆け落ちし出て行ってしまう。それでも諦めず、ルイーズと再起を図る、ローズ。しかし、ジューンの持つ歌唱力やダンスの技術はルイーズにはなかった。そんな時、ルイーズがある手違いでストリップ劇場の仕事を受けてしまう。ローズは抵抗するが、お金のためにルイーズは舞台に立つと宣言するのだった・・・ 宮沢りえちゃんと鳳蘭さんが30年位前にやっていて、偶然観ていたんです。劇中の『サム・ピープル』という歌がとても素敵で、大好きな舞台の1つでした。まさか自分がローズを演じられるとは思っていなかったので、本当にうれしいです。 やっぱり、ミュージカルは歌がきちんと歌えないと話にならないので、ボイストレーニングや歌稽古をきっちりやりたいと思っています。あと、いつもそうなのですが翻訳者の方と演出家の方と確認し合って、言葉を自分のものにしてゆきたいと思っています。 「ビッグスターにさせる」っていう自分の夢を子どもに託して、前に向かって突き進んでいく母親が、突然子どもから「ママ、バイバイ」って言われたときに、「私の夢は何だったのだろう」「母親として私は一体何をしたのか」と最後の歌のシーンで自問自答をします。でもローズに限らず、実は誰もが自分をどっかに置き忘れちゃっていると思うから、そうじゃなくて、自分自身を見つめて夢に向かって生きようぜっていうのが、伝わればいいなと思います。観に来てくれた人が、「生きていくっていいな。頑張るぞー!」と叫びたくなるような、熱い舞台になれば最高ですね。そうなるように、みんなで必死に頑張ります(笑)。 色んな親子がいると思うんですけど、母親にとって子どもは、何物にも代えがたい存在だと思います。最初の子どもを産んだときに教えてもらったのは、世界中でこの子を守れるのは、愛しているのは自分であるという自信。だから、母は強しってよく言うけど、本当に子どものためだったら何でも出来るなぁって思います。 初日の、幕が上がる瞬間が一番嬉しくて、ドキドキわくわくします。自分たちが1ヵ月、2ヵ月かけて作ったものをやっと見てもらえるのが嬉しい。「変わってる」って言われますけど(笑)。稽古場で芝居が出来ていく過程も嬉しいし、劇場に舞台のセットがあって、私たち役者とお客さんが居ることにも喜びを感じています。 あまりしないですね。若い頃から幕が上がるときが一番嬉しくて、稽古も大好きでした。厳しい演出家にダメ出しされたときでも「なるほど。そうか」って思うときもあれば、「早くダメ出しされたところをやりたい」「今度はこういう風にやるから見てて!」と思ったり。とにかくお芝居が好きなので、見られたい、褒められたい気持ちがあります(笑) 時間を取ってやらなきゃとは思うけど、あっという間に稽古期間になっちゃった(笑)。でも、すごく体力が落ちたな~と感じることもなくて。別の舞台をやりながらドラマを撮っていたときも、ハードではあったけど充実していて楽しかった。なので、お仕事しながら体力づくりをしている感じですね。あとは日常の何気ない家事も、体力づくりの一つだと思っています。例えば、段ボールを束ねるひもを取りに行くまでの距離がありますよね。「束ねずこのままでいいや」と思わずに、よし頑張って取りに行こうと思うと体が動くし、ひもで束ねる時間も体力づくりにつながっている。そういうのは意識していますね。 まだ一緒に暮らしている息子がいて、ご飯を作ったり家事もあって、やることも沢山あるのですが(笑)。でも、この間の休日も何もやる気がしなくてダラダラしていたら、友達が家に来てくれて、「冷蔵庫にあるもので作って一緒に食べよう」ってなって。お鍋でご飯を炊いて、だしでおみそ汁作ってお魚焼いてっていう本当に簡単なものだったけど、ご飯をおいしく感じられてすごく幸せを感じました。 あまり年齢にとらわれずに、楽しいことをやっていきましょう。私も65歳になりましたが、疲れるのを年のせいにはしたくないって思います。疲れたら休めばいいし、元気があるときはいっぱい遊べばいい。人生はまだまだこれからっていうか、こんなに楽しいことが待っていたんだと思えるように、今後も過ごしていきたいですね。
2023年4月9日(日)~30日(日)東京芸術劇場 プレイハウス 【作詞】 【作曲】ジュール・スタイン 【出演】 【公式HP】 https://gypsy2023.com/
ヘアメイク/新井克英
スタイリスト/申谷弘美
撮影/梁瀬玉実~大竹しのぶさんプロフィール~
ミュージカル『GYPSY』~あらすじ~
ミュージカル『GYPSY』は、ショービジネスの世界で2人の娘を活躍させるべく奮闘する母ローズに焦点を当てた名作です。ローズ役に抜擢されたときはどんなお気持ちでしたか。
役作りで意識していることはありますか?
ローズはとにかくエネルギーにあふれていて、パワフルで楽しいチャーミングな役なので、今から演じることにワクワクしています。
大竹さんの芝居と歌に期待が膨らみます。本作を通して、お客さんにどんなことを伝えたいですか。
今作含め、大竹さんは「母親役」をよく演じられていますよね。大竹さんにとって「親子」とは、どのような関係を指すのでしょうか。
舞台だけでなく、映画やドラマ等多くの作品に出演している大竹さんが思う、舞台女優としての喜びの瞬間とは。
いよいよ始まる! という局面で、緊張はされないのですか?
芝居に歌にと、ハードな役柄を演じられる大竹さんの体力づくりの秘訣とは。
あとは私すごくたくさん食べます。食べることが大好きです。そして、お家でぼーっとソファに座っていることも大好きです。とにかくお家が好きですね。
ご自宅はリラックスが出来る場所なのですね。
ありがとうございました。最後に、同年代の方も多い読者の方へ向けて簡単な「元気アドバイス」をお願いします。
スティーヴン・ソンドハイム
【脚本】アーサー・ローレンツ
【演出】クリストファー・ラスコム
【翻訳・訳詞】高橋亜子
大竹しのぶ 生田絵梨花
熊谷彩春 佐々木大光(7 MEN侍/ジャニーズ Jr.) 今井清隆 ほか
【公式Twitter】@gypsy2023
【お問い合わせ】サンライズプロモーション東京(0570-00-3337(平日12:00~15:00))