『レ・ミゼラブル』や『オペラ座の怪人』など、日本で大ヒットした数々のミュージカルで主要キャストを務め、温もり溢れる力強い声と存在感で人気を博している舞台俳優の今井清隆さん。今作『キャメロット』では、アーサー王を支える円卓の騎士、ペリノアを演じます。スッと伸びた背筋と紳士的な立ち振る舞いが印象的な今井さんに、『キャメロット』の見どころやご自身の健康観について聞いてみました。
1957年生まれ、群馬県出身。ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』で初舞台を踏み、その後ミュージカル『ラ・マンチャの男』、『ミス・サイゴン』、『美女と野獣』、『オペラ座の怪人』など数多くのミュージカルに主要キャストとして参加。1991年にミュージカル『レ・ミゼラブル』で第17回菊田一夫演劇賞、1996年には読売演劇大賞優秀賞を受賞した。コンサートにも多数出演し、神奈川フィルハーモニー管弦楽団との共演も果たしている。直近の出演作に、『ピピン』(22)、『バイ・バイ・バーディー』(22)、『GYPSY』(23)などがある。 中世イングランドの都キャメロット。アーサー王(坂本昌行)は政略結婚を嫌がり逃げ出したグィネヴィア(唯月ふうか)と森の中で出会い、お互いの素性を明かさないまま、二人は恋に落ちる。 とても有名な作品でずいぶん前から海外では上演もされているので、日本初演と聞いてビックリしました。どんな感じで演出されるのだろうと、今は期待と不安が入り乱れた状態です。でも、演出家の宮田さんが本当に細かいところまで指導してくれるので演りやすいですし、共演の皆さんも若い方も多くて刺激も受けられ、感じの良い方ばかりなので非常に楽しく稽古に励んでいます。 「人間の幸せとはどこにあるのか」「人はなぜ争うのか」といったテーマをもとに、壮大な物語が広がっています。理想郷を求めてアーサー王がすごく悩み、苦悩しながら物語は進んでいくので、演劇的に深い作品であるとともに、アーサー王の人間味が詰まっています。 アーサー王の友人であり、彼の面倒を見る親父みたいな存在で、非常に重要な役です。緊迫するシーンが続く中でも、ペリノアが登場したらお客さんがホッと安心できるようなシーンもあるので、どうやって表現したらよいか試行錯誤しています。 ミュージカルを初めて観たときに、「ミュージカルってこんなに人を感動させることが出来るのか」と思ってビックリしたんです。観に行く前は、歌ったり踊ったりするのを観て何が面白いの? という感覚だったのですが。観終わった直後から、こんなに人を感動させられる、演劇っていうのは何なんだろうと興味がどんどん沸いてきて、この世界に入りたい! と思いました。 とても一生懸命で真面目な方です。稽古期間を通していろいろ話すうちに、面白い方だというのもよく分かりました(笑)。とにかくアーサー王はセリフの量がものすごく多いのですが、坂本君は覚えるのが早くて感心しています。僕はセリフを覚えるのがあまり早くないので、何度も繰り返し発することで自分の中で役を膨らませていきたいです。若い人たちに刺激を受けつつも、自分のペースを保って頑張ります。 「やりすぎない」ことを大切にしています。食事も食べすぎはダメだし、運動もどこまでがハードワークかの見極めが難しくて、ちょっといい気になると翌日筋肉痛で動けなくなってしまう。でも多少負荷をかけないとトレーニングにはならないので、その辺の見極めが難しくも健康においては大切だと感じています。自分にとっての「ちょうど良い」を見つけながら、うまくやっていきたいですね。 普段は食事に気をつかいつつも、僕は脂っこいものが大好きなので、たまには好きなものばっかり食べるチートデイを作らないと精神的にやられてしまいます(笑)。特に赤身の肉が好きなので、仕事が落ち着いたときに食べに行きます。 とにかく元気でいたいと思うので、守りじゃなくて挑戦するといった気持ちをいつも大切にして、元気を絶やさないようにしたいです。仕事も趣味も何か目標を作って、それに向かってちょっとずつ頑張る。頑張りすぎると疲れてしまうから、「ちょっとずつ」が自分には合っているのかなと思います。
【東京公演】2023年10月7日(土)~28日(土)日生劇場 【脚本・歌詞】 【音楽】 【演出】 【翻訳・訳詞】 【出演】 【主催・製作】
スタイリスト/TAKURO
ヘアメイク/タナベコウタ
撮影/梁瀬玉実~今井清隆さんプロフィール~
ブロードウェイミュージカル『キャメロット』~あらすじ~
グィネヴィアを王妃として迎えたアーサー王は、戦いが絶えない時世の中でも正義と公正さを信じ、武力ではなく法による統治を目指す。そして、皆が対等に話し合える円卓会議を発案し、イングランド全土から気高き騎士の招聘を試みる。辺境の騎士ペリノア(今井清隆)は図らずもキャメロットへ流れ着いた一人だが、そんなアーサー王の噂を聞きつけたフランス人騎士ランスロット(桐山照史)も一路キャメロットへ向かい、王に直談判で志願、「円卓の騎士」の一員となる。アーサー王は極めて優れた騎士道精神を持つランスロットに惚れ込み、全幅の信頼を置くようになるが、その裏でランスロットと最愛の妻グィネヴィアが密かに愛し合っていることを知る。二人の幸せを願うものの、自身への裏切りを許すことができず、苦悩するアーサー王。そこに追い打ちをかけるように隠し子のモルドレッド(入野自由)が現れ…。
アーサー王にまつわる物語は諸説があり、これまで多くの映像や舞台でその世界観が描かれてきましたが、今作『キャメロット』はなんと日本初演とのことで期待が高まります。オファーを受けた際はどう思いましたか。
演出家の宮田さんいわく、今回は「とても人間臭いアーサー王」が観られるということですが、物語の見どころとは。
当時中世ヨーロッパで起こった争いが、現代でもウクライナとロシアで起こっているように、同じことを繰り返してしまう人間の愚かさには、作品を通して現代とリンクするところもあると思います。しかし、だからこそ幸せや平和な世界を求める期待が今作品には込められていますし、観た人が心を動かされるのではと感じています。
今井さんは、アーサー王が集めた「円卓の騎士」の一員である、ペリノアを演じます。
今作品に限らず、僕の芝居を通してお客さまがホッとしたり、現実社会から少し離れて楽しい気持ちになってもらえれば嬉しいな、と思っていますし、そういった役者で居続けられるように頑張ります。そもそも演劇の世界に足を踏み入れたきっかけとは?
アーサー王役の、坂本昌行さんにはどのような印象を持っていますか。
稽古および公演期間中は体力勝負になると思いますが、健康面や体づくりで何か取り入れていることはありますか。
食事も運動もバランスが大切ということですね。そんな中でも、たまには「チートデイ」を設けているとか?
今井さんは現在65歳ですが、今後の「理想の歳の重ね方」を教えてください。
【大阪公演】2023年11月4日(土)~20日(月)大阪松竹座
アラン・ジェイ・ラーナー
フレデリック・ロウ
宮田慶子
高橋亜子
坂本昌行
桐山照史(ジャニーズWEST)
唯月ふうか
入野自由
今井清隆
松竹株式会社