NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』や映画『るろうに剣心』シリーズなどで注目を集め、男らしい風貌と味のある演技で多くの人々を魅了する俳優の青木崇高さん。映画『ミッシング』では石原さとみさん演じる妻・沙織里と困難な状況に立ち向かう夫役を好演。撮影現場の裏側や青木さんの役者観など、2ページに渡ってお届けします。
1980 年生まれ、大阪府出身。NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』(07)で注目され、以降、『龍馬伝』(10)、『平清盛』(12)、『ちかえもん』(16)、『西郷どん』(18)、『鎌倉殿の13人』(22)など、大河ドラマをはじめとしたNHK話題作に多数出演。近年の主な出演映画作品は『るろうに剣心』シリーズ、『ゴジラ-1.0』(24)、『犯罪都市 NO WAY OUT』(24)ほか。Huluオリジナルドラマ『十角館の殺人』が配信中。TBS系列『ララLIFE』ではMCを務めるなど幅広く活動。 とある街で起きた幼女の失踪事件。母親の沙織里(石原さとみ)はあらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けながら、少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る沙織里は夫・豊(青木崇高)の冷静さに誠意を感じられず夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られるとネット上では“育児放棄の母”として、誹謗中傷の標的になってしまう。世の中にあふれる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になりいつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど心を失くしていく。 物事の切り取り方が面白い𠮷田監督の作品にはいつか出たいと思っていたので、今回お声掛けいただいてとても嬉しかったです。 特に違った印象は持ちませんでしたし、役に対してあまり「こうだ」と決めていませんでした。内容が内容だけに、現場に入ってトーンを掴むことも大切だと思っていたので。特に共演の石原さん(石原さとみ)は出産後の挑戦で、役柄的にも相当な覚悟の上で向き合われると思ったので、僕は僕で「夫・豊」としての立ち位置が自然にリンクすれば良いなと思いました。 出演者、監督を含め一定の緊張感というか、我々が描こうとしている作品の緊張感はもちろんありました。その最低ラインは保ちつつも、𠮷田監督が和やかな現場にしてくださっていて、優しい空気が流れていましたね。良いモノづくりの環境、空気感の中で演じられたと思います。 夫婦のあり方など、心の多面性を改めて感じました。耐え難い状況にあっても、人のちょっとした善意にすごく救われる瞬間、持ち堪えたと思っても、悪意の有無に関わらず大きく心がつまずいてしまうなど。心は多面体であって、そのときの状況で同じ情報でも受け止め方が違うし、捉え方の掛け違いで世の中が良くなったり悪くなったりがあると思いました。 世の中にはこの映画と同じような状況にある方々がいらっしゃると思います。その方々がこの映画をご覧になることは大変難しいことと思います。ですが、この映画の存在によって、報道含め、周りの人間、社会が少しでも優しく思いやりのあるものになって欲しいと強く思います。年代問わず、色んな方に見てもらいたいです。 体の維持は作品によって調整することはあります。ストイックとまではいきませんが、適度な運動やバランスの良い食事は心掛けています。肉を多めに食べたらその分野菜もしっかり取る、というような。疲れはお風呂にしっかりつかることでケアしています。 目標としている人がいない訳では無いですが、人にはいろんな面があるので挙げるとキリが無い。その中でも、いろんなことに気が付いて気配りが素晴らしい先輩や、締めるところは締めて、ゆるめるところはゆるめながらチームを引っ張っていく先輩は素直に尊敬します。自分もそうなれたらと思います。
5月17日(金)全国公開 【監督・脚本】 【出演】 【配給】 【公式HP】 【公式X】 ©2024「missing」Film Partners
ヘアメイク/NANA
撮影/梁瀬玉実~青木崇高さんプロフィール~
映画『ミッシング』あらすじ
一方の砂田も、視聴率を獲得するために、世間の関心を煽るような取材を局の上層部から求められて葛藤していた。その報道はすでに失われた沙織里や沙織里の弟・圭吾(森優作)の日常をさらに狂わせていく。
あらゆる好奇心と無関心、名前のない善意と悪意にあふれる世の中でも“光”は必ずそこ
にある。異色のケミストリーが肉迫する、限りなく“哀しくて可笑しくて優しい”魂の行方とはー
映画『ミッシング』は、娘の失踪により徐々に心を失くしていく母親・沙織里(石原さとみ)を軸に、関わる人々の生き方を描いた作品です。沙織里の夫・豊を演じた青木さんは、オファーを受けた際にどう感じましたか。
台本と実際の現場で、違った印象は持ちましたか?
今作品問わず台本はしっかり読んで臨みますが、『ミッシング』は現場でアンテナを張って拾ったもの、感覚を優先して向き合おうと思いました。その中でも夫婦の関係性についてはずっと考えていましたね。カメラが回っていない、石原さんとごはんを食べているときの会話や、もちろん本番中に見えたものまで、自分自身の体と心が共鳴するのを確認しつつ、ワンシーンワンシーンを大切に演じました。映画を拝見し、青木さん・石原さんが本当の夫婦のように作品に溶け込んでいることが印象的でした。緊迫するシーンも多かったですが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。
実際に幼いお子さんがいらっしゃる青木さんですが、豊の人生や生き方に触れたときに、ご自身に影響があったこと、得たものがあれば教えてください。
『ミッシング』という作品を通して、観る人に何を伝えたいですか。
デビュー以来20年以上にわたり、様々な役を演じ毎回ふり幅の広い役を務めてきた青木さんですが、体力維持や健康面で気を付けていることとは。
目標としている先輩や、なりたい人物像はありますか?
𠮷田恵輔
石原さとみ 中村倫也 青木崇高 森優作 小野花梨 細川岳 ほか
ワーナー・ブラザース映画
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@kokoromissing