俳優 山口祥行さんインタビュー（2024年9月25日掲載）

映画「ぴっぱらん!!」

韓国語で「ぴっ」は【血と雨】、「ぱらん」は【風】を意味する。
タイトル『ぴっぱらん!!』【血と雨と風】は、正しく百鬼の歴史を切り開こうとする3兄弟の人生の代名詞である。

あらすじ

　百鬼（なぎり）3兄弟 ナメたらどうなるか　思い知らせてやる
25年前、全国で名前を轟かせていた百鬼三兄弟だったが、突如一家の大黒柱の父・百鬼剛（金守珍）が何者かに暗殺された。「百鬼組は皆仲間や。ヤクザをやっていても、人の道を外れることだけはやってない」という父の意思を継ぎ、百鬼組を継ぐ次男・百鬼要（崔哲浩）だったが、元百鬼組の政治家・福沢正志（三浦浩一）は選挙を控え、同じ堂心会の丹波組組長の丹羽毅（永倉大輔）が刑務所から出てくるタイミングで、麻薬ビジネスを発端に襲撃事件が起こる。大阪で一目置かれている三男・百鬼湊（福士誠治）のピンチを助けた長男・百鬼峻（山口祥行）は、本家と構えることになった次男・要を助けに、湊と共に要の元に現れ…

映画『ぴっぱらん!!』では、固い絆でつながっている3兄弟の長男を演じられた山口さん。改めて、作品の魅力や見どころを教えてください。

　令和の時代に逆行して、昭和テイストの強い作品だと思います。家族や民族のヒューマンドラマでもあり、中でも兄弟愛が色濃く出ているのが見どころです。今回俺が演じる3兄弟の長男「峻」は、兄弟の中で一番ミステリアスだと思います。兄弟と家族を想って自ら過酷な道を選ぶお兄ちゃんの生きざまを、感じてもらえたらうれしいです。
　今はSNSが主流の時代で、SNS上でのつながりが着目されがちだけど、『ぴっぱらん!!』では”血のつながり”をメインに描いているので、今の時代と逆行する泥臭さも魅力の一つですね。

山口さん自身もSNSをやられていますよね。普段、どんなお気持ちでやられているのでしょうか。

　そこまで俺は熱中していないというか、もともと自分発信もしたく無いタイプですが、思い返せば、中野英雄さんに強く勧められて始めたのがきっかけだったなぁ。SNSを通じてコミュニケーションが取れるっていうのは良いことだと思いますが、そこを気にし過ぎちゃうと寝れなくなっちゃう（笑）。なので、ほどほどに続けていこうと思うけど、たまにはファンの方々に俺の愛犬を見せてあげたいなと思います。

本作を含め、これまで数々の任侠ドラマやVシネマにご出演されてきた山口さんですが、改めて役作りの方法をお聞きしたいです。あんなに怖い雰囲気は、どうやって出しているのでしょう。

　やるべきことは台本に書かれているので、その台本以上のことを表現するように意識はしています。あとは「俺はできる」って思い込むことかな。役者になる前はスタントマンを目指していたんだけど、当時は「できるようにならなきゃ」という思いが強くて。経験値が上がることで自信もついて、できる！って信じることが今の演技につながっていると思います。

そもそもスタントマンを目指されたきっかけとは？

　子どもの頃、「宇宙刑事ギャバン」という特撮番組を見ていて、自分もあの中に入りたいって母に言ったことがきっかけで、ジャパンアクションクラブに入ることになり、そこから映画のオーディションに運よく合格したのが始まりでした。当時は受かってもバイト感覚だったくらい。実際ここまで役者を続けてみて、大変だったなぁとはしみじみ思いますね。特にこの年齢になると、体力維持は大変です（笑）。

体力づくりの秘訣をお聞きしたいです。本日お会いしてみて、とても若々しくスラッとされている印象を持ちました。

　頑張って寝る！ どうにか寝るようにする！ 年齢を重ねる内にどんどん寝つきが悪くなっているのを感じます。2時間おきに目が覚めるとか(笑)。でも、やっぱり寝ないと疲れが取れないから「寝られない自分」にあらがって、どうにかたくさん寝るために23時には寝床につくこともあります。

お食事、運動面ではいかがでしょうか？

　食事に関しては基本的に暴飲暴食で…。そもそも食に対してのこだわりとか、おいしいものを食べたいって気持ちもあまり無くて。食事はエネルギー補給の一つだと思ってるくらいだから。その中でも、肉、ステーキは好きです。この前も小沢仁志さんと一緒に肉を2キロ食べました。暴飲暴食する分、運動でバランスが取れているのかな。トレーニングが好きなので、まとまった休みをもらえたら週5でジムに行ってかなり追い込んでいます。昔は今よりもっと細くて、頑張って15キロくらい増やしました。当時は無理やり食べていたから、自然と食へのこだわりが無くなったのかも(笑)。仕事上、筋力は大切なので、今後もトレーニングは続けていきたいです。

ありがとうございました！