ドラマ『半沢直樹』での強烈な個性を放つ銀行員役で一躍ブレイクし、主役から脇役、シリアスな演技からコミカルな役柄まで、幅広い演技力で人気の滝藤賢一さん。今作『私にふさわしいホテル』では、大御所の文豪役を好演し注目を集めています。取材時は終始にこやかで、周りへの配慮を欠かさない滝藤さんのお人柄に取材陣は魅了されました!
1976年11月2日生まれ、愛知県出身。2000年『BULLET BALLET/バレット・バレエ』(塚本晋也監督)で映画デビュー。映画『クライマーズ・ハイ』(08/原田眞人監督)で一躍脚光を浴び、以降数々のドラマ、映画、CM等で幅広く活躍。主な映画出演作に、『踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』(10/本広克行監督)、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14/大友啓史監督)、『はなちゃんのみそ汁』(15/阿久根知昭監督)、『64-ロクヨン-前編/後編』(16/瀬々敬久監督)、『孤狼の血LEVEL2』(21/白石和彌監督)、『ひみつのなっちゃん。』(22年/田中和次朗監督)、『ミステリと言う勿れ』(23/松山博昭監督)、『若き見知らぬ者たち』(24/内山拓也監督)等がある。 新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく。ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘に、手に汗を握りながらいつしか虜になっていく。驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”が誕生した。 山の上ホテルと言えば、かつての文豪たちが愛用していたことで有名ですよね。僕が演じた東十条宗典も大御所の文豪という設定だったので、率直に「本当に僕でいいのかしら!?」と思いました。でも、脚本を読んでみたらびっくりするくらい面白くて。登場人物たちもすごく魅力的だったので、やらせていただきました。実際に山の上ホテルで撮影させてもらえるなんて夢のようです。 どの世界においても、下から突き上げてくる脅威があることを改めて感じました。僕も役者をやっていて、どんどん若い世代の子たちが活躍して評価を受ける中で、自分の芝居はこのままでいいのだろうか?といった葛藤や嫉妬、悔しさを感じることがあります。特に現場では毎日若手の活躍を目の当たりにしているので、作中で東十条が取った行動や気持ちには共感できました。僕はあんな酷いこと絶対しないですけど(笑)。でも、悔しいと思う気持ちは大事だと思っているので、この作品が皆さんにとっての活力やエネルギーになれたら嬉しいです。 (C) 2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会 のんちゃん、素敵でした。彼女は本当に何事にも一生懸命で、真っすぐで、邪念の無い印象があります。生まれたばかりの赤ちゃんのような、キラッキラした目をしているんですよ。とにかく監督が言ったことに対して一生懸命にやっている姿がとても面白くて、可愛らしかった。その姿があったからこそ、僕も一切遠慮せず芝居をすることができたので、のんちゃんには感謝の気持ちでいっぱいです。 (C) 2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会 良い睡眠をとることです。そのために頑張っていますが、歳を重ねるにつれ「寝ること」ってこんなに大変なんだと実感しています。寝つきは良いのですが、何回も起きてしまって眠りが浅くなるのが課題です。夜しっかり寝るために、毎朝6時には起きて子どもを送り、日光を浴びながら植物の世話をして朝ごはんを食べる、といった生活をしてるんですけどね…。何か間違ってるのかなぁ(笑)。 そうですよね! 僕もそう思って、寝る前は副交感神経に入るように努力しています。例えば寝る1~2時間前からはテレビもスマホも一切見ないですし、全ての部屋を暗くしてます。早いときは20~21時には寝るほど。でも、知らず知らずのうちに色んなことを考えてしまい交感神経が優位になっているのかもしれません。引き続き色々試していきたいです。 どちらも気をつけていますね。運動はウェイトトレーニングを週に3~4回はやっていますし、食事も白米とみそ汁、焼き魚、納豆という献立が多いです。暴飲暴食はあまりしないですね。でも、ケーキとか大福など甘いものも好きなので、食べまくってますね。暴飲暴食してますね(笑)。食べたいものを食べて生きていきたいですがそういうわけにもいかないのかなぁ。 僕が強烈なインパクトを残すというよりいただいた役のキャラクターから強烈な印象を残すんだと思うんです。あまり自分の中で「何か特別にやってやろう」みたいな気持ちはないものですから。色んな役を演じてきて思うのは、とにかく「ただそこに居るだけ」で成立する存在、俳優になれたらなと思います。どうやったらなれるのか見当もつきませんが(笑)。そんな俳優になれるよう、これからもひとつひとつ丁寧に色んなことと向き合っていきたいです。そのためには健康という土台が大切だと、改めて思います!
2024年12月27日(金)全国公開 【監督】 【原作】 【脚本】 【出演】 (C) 2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
撮影/牧野健人~滝藤賢一さんプロフィール~
映画「私にふさわしいホテル」~あらすじ~
文学史上最も不遇な新人作家・加代子
しがらみだらけの文学界を舞台に、文壇下克上が始まる2024年2月に惜しまれながら全面休館を迎えた「山の上ホテル」が舞台となっている本作品。出演のお話がきた際のお気持ちとは。
今作のテーマが「文壇下剋上」とありますが、作品を通して感じたことや、共感できる部分はありましたか。
のんさんとの格闘(?)シーンは見ていてとても面白かったです! 実際の撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。
多方面で活躍の場を広げている滝藤さんですが、健康に気をつかわれていることはありますか。
とても健康的な生活に見えますが…、なぜでしょう。寝るときに交感神経が優位になっているかもしれません。
快適な睡眠がとれるよう、応援させてください! 食事や運動面はいかがですか。
どんな作品においても見ている側に強烈なインパクトを残す滝藤さんですが、48歳を迎えられたいま、今後の展望はございますか。
ありがとうございました!
堤幸彦
柚木麻子『私にふさわしいホテル』(新潮文庫刊)
川尻恵太
のん
田中圭 滝藤賢一 ほか