熱血漢から繊細な人物まで多彩に演じ、今年で芸能生活26年を迎えられた佐藤隆太さん。今回出演する舞台『明日(あす)を落としても』は、阪神・淡路大震災から30年を迎える今、“あの日”と“今”を生きる人々の姿を描く物語。栗山民也(たみや)さんとの7年ぶりのタッグに挑む意気込みや、舞台を通して伝えたい想い、そして佐藤さんの元気の秘訣について伺いました。
1980年2月27日、東京生まれ。1999年に舞台『BOYS TIME』で俳優デビュー。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』、『ROOKIES』など、数々の話題作に出演し、熱血漢から繊細な役柄まで幅広く演じる実力派。近年は舞台やドラマ、映画に加え、バラエティ番組のMCとしても活躍中。25年10月から主演ドラマ「新東京水上警察」(フジテレビ/火21時〜)の放送が控えている。 『明日を落としても』は、六甲山系の麓(ふもと)に佇む創業80年の老舗旅館を舞台に、阪神・淡路大震災から30年となる2025年と、震災発生当時の1995年を巡る、神戸「あの時」の物語。主人公の桐野雄介は、自身が営む旅館でアルバイトとして働く神崎ひかるに昔の自分を重ね、ボクシングを教え始めます。そこに震災が起こり…。当たり前のように思えている生きることの大切さ、明日を迎えることの奇蹟を描いた作品です。 「いただいた役に全力で向き合う」ことでしょうか。僕たちの仕事は、誰かが「この人にお願いしたい」と、声をかけていただくことから始まります。だから、可能性を感じて声をかけてもらえること自体が、本当にありがたいんです。その出会いが新しい挑戦にもつながっていくので、いただいた役に真剣に取り組むことが、次の「ご縁」を生むと思っています。「この人にやらせたら絶対面白い!」と思ってもらえるような存在でありたいですね。 はい、ご縁に恵まれたなと思う瞬間は沢山ありますね。まず、初めての連ドラが『池袋ウエストゲートパーク』で、長瀬智也さんが演じる主人公の親友役という大きな役を頂けたのは、本当に幸運でした。デビューしてすぐにそんな機会をいただける人は多くないと思います。このご縁が次に繋がっていき、たとえばその一つが『木更津キャッツアイ』です。20年以上経っていますが、今でも「キャッツ好きです」と声をかけていただけるほど、多くの方に愛される作品に出演できて、本当に恵まれています。そんな出会いへの感謝が、ずっと僕の原動力になっています。 そうですね。演出の栗山さんとは7年前に初めてご一緒して、それ以来ずっと「是非またご一緒したい」と思っていました。そんな中で、今回「この役は佐藤に」と声をかけていただけたことは、本当にうれしかった。だからこそ、「前回よりもさらに良いものをお見せしたい」という気持ちが強くありますね。栗山さんに「やっぱり佐藤に頼んで正解だった」と思っていただけるように、しっかりと作品と役に向き合いたいです。 人それぞれ、傷の深さや大きさは違っても、心に痛みや傷を持っている。それを抱えながら前に進もうとする姿が描かれていて、誰もが共感できる普遍的なテーマだと感じています。僕自身も、台本を読んだときに “一人じゃないんだ”と、自分を肯定してもらえたような気持ちになりました。観てくださった方の人生にそっと寄り添えるような、温かい作品にしたい。そんな思いで臨んでいます。 う〜ん…食べたい時に食べたいものを食べる!ですかね(笑)。それが元気の源です!とてもシンプルなことですが、その時々の自分の心に素直にいられたら、というか。もう良い歳なので食べ過ぎや偏食には注意しなきゃですけどね(笑)。食に限らず、我慢を重ねてストレスを溜めるのも避けたいなと。 そうですね。例えば自然と笑顔になれる時間を過ごしたい、作りたいと思っています。「笑い」はエネルギーになるって聞きますし、僕自身も笑顔でいると気持ちが上向きになるんですよね。あとは家族と過ごす時間も大切にしています。予定が合えば必ず家族全員でご飯を食べたり、時間がある時は子供のお弁当を作ったり。僕にとって一番のリフレッシュできる場所ですね。 はい。同じ趣味を持つ仲間と会って話すと、時間を忘れるくらい夢中になれます。好きなものについて話していると自然と笑顔になっていて、気持ちがすごく元気になるんです。些細なことですが、そういう時間が、僕にとっては心の健康にもつながっていると思います。 生の舞台は、目の前で人が息づく空気や熱量を全身で感じられる特別な場所だと思っています。観劇が趣味の方はもちろん、まだ一度も観たことがない方にも、ぜひ劇場に足を運んでほしいですね。僕も、疲れている時に舞台を観て、劇場を出る頃には不思議と元気になっている…そんな経験が今までに何度もあります。一人でも多くの方に、舞台を通して元気になっていただけたらうれしいです。
【兵庫公演】 日程:2025年10月11日(土)~16日(木) 会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 【東京公演】 日程:2025年10月22日(水)~27日(月) 会場:東京・EX THEATER ROPPONGI 作:ピンク地底人3号 演出:栗山民也 出演:佐藤隆太、牧島 輝、川島海荷、酒向 芳、尾上寛之、春海四方 田畑智子、富田靖子 兵庫公演お問合せ:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 (10:00~17:00 月曜休、※祝日の場合は翌日) 東京公演お問合せ:サンライズプロモーション 0570-00-3337 (平日12:00~15:00) 兵庫公演主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター 東京公演主催:テレビ朝日、サンライズプロモーション~佐藤隆太さんプロフィール~
舞台紹介『明日を落としても』
芸能生活26年を迎えられました。第一線で活躍され続ける中で、変わらず大切にしている思いはありますか?
「ご縁」という言葉が出てきましたが、俳優人生の中でそれを象徴する出来事はありますか?
今回の舞台『明日を落としても』も、そうしたご縁から生まれたのでしょうか?
阪神・淡路大震災から30年。あの時から今を描く本作ですが、舞台を通して伝えたいことは何でしょうか?
舞台や撮影期間中は忙しい日も多いと思いますが、コンディションを保つために心がけていることはありますか?
新しく何かを取り入れるというより、日常の中で工夫をしていくということでしょうか?
スニーカーがお好きだと伺いました。趣味の時間も、佐藤さんにとって大切なひとときでしょうか?
最後に、読者のみなさんへ「元気の輪」が広がる一言をお願いします!
貴重なお話をありがとうございました!