圧倒的な存在感と演技力で人々を魅了する、俳優・大和田伸也さん。今回は10月に出演する舞台「いまを生きる」の見どころと、70歳を迎えた現在も第一線で活躍を続ける、ご自身の健康の秘訣についてお伺いしました。
撮影/安友康博
アカデミー賞で脚本賞を受賞した映画「いまを生きる」を、日本で初めて舞台で上演します。アメリカにある全寮制の男子高校に、ある日、キーティングという新しい英語教師がやってきます。彼は厳しい規則に縛られていた学生たちに、少し風変わりな授業で規則や親に縛られない生き方・考え方の素晴らしさを広めていきます。そんな彼の授業によって“自由に目覚めていく”生徒と、“古い考え方に縛られた”大人たちとの間で衝突や葛藤が生まれるのですが、そこから、生きる意味や人生で大切なことは何かを見つけ出していきます。
伝統ある学校を守るため、生徒を厳しい規則で縛り付けようとして、教師のキーティングたちと激しく対立します。本人は子供たちのことを何よりも大切に考えていて、厳しさも「子供たちをまっとうに、正しい方向に進ませたい」という熱い思いからなのですが、なかなか理解してもらえません。
今回はとても久しぶりに、堅物で頑固な男性を演じます。最近はバラエティーに多く呼ばれるせいか、映画やドラマでもコミカルな役が多くって(笑)。舞台では私自身が持っている「男の怖さや厳しさ」というものが出せれば良いなと思います。あと、年齢を重ねると、どうしても若い人との接し方って分からなくなるじゃないですか。この舞台には「人生の先輩として若者とどう接するべきか」というヒントがたくさん詰まっています。若者の気持ちにもきっと共感できると思うので、ぜひ劇場でご覧に頂けたらと思います。
よく「若さや元気の秘訣はなんですか」と聞かれますが、自分自身で思うのは「好奇心」ですね。昔から演技だけではなく、演出をやったり監督をやったりと、本当に好奇心旺盛でいろんなことに挑戦してきました。若い人の流行にも敏感で、今はスマホでLINEやツイッターにハマってます(笑)。新しいことに触れると、気持ちが若々しく保てるんですよね。皆さんも「もう歳だから」なんて考えず、色々と挑戦して欲しいです。
仕事の「ある日」と「ない日」でまったく違いますね。たとえばドラマが入っている時などは8時に撮影がスタートして、それから夜中まで時間を決めずに撮影…なんてこともよくあります。逆に仕事がない日は9時頃までのんびり寝ています。生活のリズムは自分でも本当に不規則だと思いますね。ただ、どんなに忙しくても、5時間は眠るように心がけています。
特別なことをするというよりは、なるべく普通の生活をして、ストレスを「忘れる」ということだけです(笑)。水戸黄門などの時代劇の撮影をしている時は、撮影前の準備が大変なので、だいたい毎朝5時起きなんですね。次の日にチャンバラのシーンがあると、最初の頃は緊張もするので「早く寝よう」って準備をするんですけど、次の日が全然ダメなんですよ。ただ、それから慣れて、撮影の前日もお酒を飲んだり、なるべく普通の生活をするようになったらとてもラクになって、チャンバラも上手になりました(笑)。
最近感じるのは「歩いた時」ですね。旅番組で若い人と一緒に歩くことがあるのですが、前までは平気だったのに、何だかついていくのが辛いんですよ。これはまずいと思って、最近は階段もなるべく良い姿勢で歩くようにしています。
子供の頃から水泳が好きで、プールでしょっちゅう泳いでいますね。ただ、好きとはいえ「何メートル泳ごう!」と考えると辛いし、行くのも面倒になるんですよね。だから「水と戯(たわむ)れに行く」という感じで、自由に泳いだり潜ったりしています。
映画が大好きなので、映画館に行きます。作品を問わず、時間があればあるだけとにかく観ちゃう。それくらい大好きですね。それから、よく意外だと言われるのですが、テーマパークが大好きなので、ディズニーランドとかユニバーサルスタジオにもよく行きます。流石にジェットコースターは乗らなくなりましたが、お面を被ったりして楽しんでますよ。ああいう場所はどんな格好をしても不信がられないので、気がラクなのも好きな理由ですね(笑)。
「今できることを今やっちゃおう!」ということでしょうか。何でもそうなんですけれど、面倒だな、明日やろうと思って、結局しないことって結構あるじゃないですか。そういう時に思い切って「エイ!」ってやっちゃう。そうした小さな積み重ねが、毎日の健康にとって大切なんじゃないのかなって思います。
日程・会場:10月5日(金)~10月24日(水)
新国立劇場 中劇場
チケット:S席 9,000円 A席 7,000円(全席指定・税込)
お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10時~18時)
主催・企画制作:フジテレビジョン