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俳優 大和田伸也さんインタビュー(2018年9月25日掲載)

圧倒的な存在感と演技力で人々を魅了する、俳優・大和田伸也さん。今回は10月に出演する舞台「いまを生きる」の見どころと、70歳を迎えた現在も第一線で活躍を続ける、ご自身の健康の秘訣についてお伺いしました。

撮影/安友康博

Shinya Oowada
おおわだ しんや/1947年10月25日生まれ。福井県出身。
1965年、早稲田大学に入学後、学生劇団「自由舞台」に所属。1968年に劇団四季に入団し初舞台を踏む。1972年にはNHK朝の連続テレビ小説「藍より青く」でヒロインの夫・村上周太郎役を好演。以降、ドラマにも数多く出演し、1978年にはTBS系列の時代劇「水戸黄門」で2代目“格さん”を演じ国民的な人気を得る。現在は俳優としてはもちろん、バラエティー番組でも活躍。10月には舞台『いまを生きる』に出演予定。
圧倒的な存在感と演技力で人々を魅了する、俳優・大和田伸也さん。今回は10月に出演する舞台「いまを生きる」の見どころと、70歳を迎えた現在も第一線で活躍を続ける、ご自身の健康の秘訣についてお伺いしました。

舞台『いまを生きる』の見どころを教えてください。

アカデミー賞で脚本賞を受賞した映画「いまを生きる」を、日本で初めて舞台で上演します。アメリカにある全寮制の男子高校に、ある日、キーティングという新しい英語教師がやってきます。彼は厳しい規則に縛られていた学生たちに、少し風変わりな授業で規則や親に縛られない生き方・考え方の素晴らしさを広めていきます。そんな彼の授業によって“自由に目覚めていく”生徒と、“古い考え方に縛られた”大人たちとの間で衝突や葛藤が生まれるのですが、そこから、生きる意味や人生で大切なことは何かを見つけ出していきます。

大和田さんが演じられるノーラン校長はどのような役どころでしょうか。

伝統ある学校を守るため、生徒を厳しい規則で縛り付けようとして、教師のキーティングたちと激しく対立します。本人は子供たちのことを何よりも大切に考えていて、厳しさも「子供たちをまっとうに、正しい方向に進ませたい」という熱い思いからなのですが、なかなか理解してもらえません。

自由に生きるといえば、大和田さんも大学を中退して劇団四季に入団されたそうですね。

はい。自分の場合、最初は両親にずっと内緒にしていました。当時できたばかりの国立劇場の第一回公演で大役に抜擢されたのですが、その時に初めて両親を招待して見てもらって「実はこういうことを始めたんだけどどうだろう」と打ち明けたんです。母は華やかな舞台を見た後ということもあり、「うわーすごい!」と喜んでくれたのですが、父は何も喋らず、怒ったような顔をして帰ってしまいました。それから一週間後に、父から巻き紙で手紙が届きました。そこには「自分の一生だから、思った通り生きろ」「ただ、男として誠実に生きろ」と書いてありました。今でもその手紙は大切にしていて、「誠実に生きる」ということは、今までの自分の人生の座右の銘になっています。

「ここを見て欲しい」というシーンはありますか。

今回はとても久しぶりに、堅物で頑固な男性を演じます。最近はバラエティーに多く呼ばれるせいか、映画やドラマでもコミカルな役が多くって(笑)。舞台では私自身が持っている「男の怖さや厳しさ」というものが出せれば良いなと思います。あと、年齢を重ねると、どうしても若い人との接し方って分からなくなるじゃないですか。この舞台には「人生の先輩として若者とどう接するべきか」というヒントがたくさん詰まっています。若者の気持ちにもきっと共感できると思うので、ぜひ劇場でご覧に頂けたらと思います。

昨年70歳を迎えられましたが、映画、ドラマ、舞台と第一線でご活躍されています。

よく「若さや元気の秘訣はなんですか」と聞かれますが、自分自身で思うのは「好奇心」ですね。昔から演技だけではなく、演出をやったり監督をやったりと、本当に好奇心旺盛でいろんなことに挑戦してきました。若い人の流行にも敏感で、今はスマホでLINEやツイッターにハマってます(笑)。新しいことに触れると、気持ちが若々しく保てるんですよね。皆さんも「もう歳だから」なんて考えず、色々と挑戦して欲しいです。

非常にお忙しいと思いますが、1日のタイムスケジュールはどのようなものですか?

仕事の「ある日」と「ない日」でまったく違いますね。たとえばドラマが入っている時などは8時に撮影がスタートして、それから夜中まで時間を決めずに撮影…なんてこともよくあります。逆に仕事がない日は9時頃までのんびり寝ています。生活のリズムは自分でも本当に不規則だと思いますね。ただ、どんなに忙しくても、5時間は眠るように心がけています。

ストレスが溜まった時に、何か解消法はありますか。

特別なことをするというよりは、なるべく普通の生活をして、ストレスを「忘れる」ということだけです(笑)。水戸黄門などの時代劇の撮影をしている時は、撮影前の準備が大変なので、だいたい毎朝5時起きなんですね。次の日にチャンバラのシーンがあると、最初の頃は緊張もするので「早く寝よう」って準備をするんですけど、次の日が全然ダメなんですよ。ただ、それから慣れて、撮影の前日もお酒を飲んだり、なるべく普通の生活をするようになったらとてもラクになって、チャンバラも上手になりました(笑)。

若い頃に比べて体に変化を感じることはありますか?

最近感じるのは「歩いた時」ですね。旅番組で若い人と一緒に歩くことがあるのですが、前までは平気だったのに、何だかついていくのが辛いんですよ。これはまずいと思って、最近は階段もなるべく良い姿勢で歩くようにしています。

体調をケアするために何か対策はしていますか?

子供の頃から水泳が好きで、プールでしょっちゅう泳いでいますね。ただ、好きとはいえ「何メートル泳ごう!」と考えると辛いし、行くのも面倒になるんですよね。だから「水と戯(たわむ)れに行く」という感じで、自由に泳いだり潜ったりしています。

お休みの日はどのように過ごされていますか?

映画が大好きなので、映画館に行きます。作品を問わず、時間があればあるだけとにかく観ちゃう。それくらい大好きですね。それから、よく意外だと言われるのですが、テーマパークが大好きなので、ディズニーランドとかユニバーサルスタジオにもよく行きます。流石にジェットコースターは乗らなくなりましたが、お面を被ったりして楽しんでますよ。ああいう場所はどんな格好をしても不信がられないので、気がラクなのも好きな理由ですね(笑)。

大和田さんのように元気で充実した毎日を過ごすために、読者の方にアドバイスをお願いします。

「今できることを今やっちゃおう!」ということでしょうか。何でもそうなんですけれど、面倒だな、明日やろうと思って、結局しないことって結構あるじゃないですか。そういう時に思い切って「エイ!」ってやっちゃう。そうした小さな積み重ねが、毎日の健康にとって大切なんじゃないのかなって思います。



脚本:トム・シェルマン  演出・上演台本:上田一豪
出演:佐藤隆太/宮近海斗(Travis Japan/ジャニーズJr.)永田崇人
七五三掛龍也(Travis Japan/ジャニーズJr.)中村海人(Travis Japan/ジャニーズJr.)
浦上晟周 田川隼嗣/冨家規政 羽瀬川なぎ/ 大和田伸也

日程・会場:10月5日(金)~10月24日(水)
新国立劇場  中劇場
チケット:S席 9,000円  A席 7,000円(全席指定・税込)
お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10時~18時)
主催・企画制作:フジテレビジョン

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