俳優 中村梅雀さんインタビュー(2018年12月25日掲載)

テレビ、映画、舞台で精力的に活動されている中村梅雀さん。2月からは2017年11月に公演し大評判となった舞台『夫婦漫才』の再演にも出演されます。その見どころとご自身の健康についてお伺いしました。


撮影/安友康博

Baijyaku Nakamura
なかむら ばいじゃく/1955年12月12日生まれ(62歳)東京都出身。歌舞伎俳優の家系に生まれ(屋号は「成駒屋」)、父は4代目中村梅之助。9歳のときに初代中村まなぶとして初舞台を踏む。1980年、2代目中村梅雀を襲名。
劇団公演と並行してテレビドラマや映画にも積極的に出演し、特に95年のNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』の徳川家重役で知名度を高めた。「赤かぶ検事奮戦記」の柊茂役、「信濃のコロンボ事件ファイル」の竹村岩男警部役など、当たり役多数。
テレビ、映画、舞台で精力的に活動されている中村梅雀さん。2月からは2017年11月に公演し大評判となった舞台『夫婦漫才』の再演にも出演されます。その見どころとご自身の健康についてお伺いしました。

舞台『夫婦漫才』の見どころを教えてください。

タイトルにもあるように漫才コンビを組んでいる夫婦の話ですが、1組の男女が相思相愛で過ごしてきた物語であり、戦前、戦中、戦後の昭和史でもあります。激動の時代に、1組の夫婦がどうやって生きてきたかを、誰もが自分の人生と照らし合わすことができる、笑えて、ほっこりできて、感動もある舞台です。

前回の公演の際も大評判だったと聞いています。

舞台が終わった後にお客さまが楽屋に来られてまた泣いてしまうような、すごい感動的なお話です。私もいろいろ舞台を経験していますが、こんなことはなかなかありません。今回はさらにパワーアップしているので、期待してください。

大阪の漫才師の役ということで、全編関西弁だということですが、東京出身の梅雀さんには関西弁は大変じゃなかったですか?

大の苦手でした。ただ、大阪出身のスタッフが全てのセリフを録音したものを稽古入り前に渡してくれて、それを毎晩寝る前に聞いていたおかげで自然に入っていけて、関西出身の人からも「何の問題もない」と言われるほどになりました。私の関西弁も見どころですよ(笑)。

テレビや舞台に大忙しですが、健康のために気を付けてらっしゃることはありますか。

役者の仕事は朝早くから撮影があったり、夜遅くまで稽古があったりと、日によって時間帯が全然違う不規則な生活にどうしてもなってしまいます。だから食生活まで不健康にならないよう気を付けています。朝は野菜たくさんのスープと、オリーブオイルを塗ったパンは絶対に欠かしません。昼はロケ弁が多いので脂っこいものは避けて、お米もほとんど食べないようにしています。夜もお米を控えるようにしています。そのおかげで、以前に比べ健康診断の数値もよくなり、体重も減らすことができました。

どのくらい節制されているのでしょうか。


僕の場合はごはんを食べると確実に身についてしまうので、ごはんを極力控え、食べてもお茶碗に半分にするといった工夫が必要だと思い、今実践しています。飲む量は、以前はまずは、ビールをジョッキ1杯飲んでから、ワインを1本あけて、仕上げにスコッチを5~6杯を飲むというのが日課でしたが、病気を経験してからその日に飲むお酒の種類を1つに決めて、ワインならボトル半分、日本酒なら2合、スコッチなら2杯までと決めています。ただ、京都に3カ月泊まり込みのロケなどがあると、ついつい飲みすぎちゃうので、そういう時は飲み過ぎたことを後悔して、その後必死に調整するように心がけています(笑)。

先ほど病気の話も出ましたが、2012年に虚血による言語障害と意識障害を発症されました。

おかしいと思ったのはその当時出演していた舞台の初日。稽古の時から完璧に覚えていたセリフが、初日の第1幕の終わりあたりから全く出てこないんです。その日の反省会でもう一度セリフを確認しようと台本を開いたところ、役名からセリフまで初めて台本を見たような感覚になりました。一晩寝たら大丈夫かと思いましたが、翌朝メールを送ろうと思っても文字変換ができない。これはおかしいと思って病院に行きました。

原因は何だったんですか?

MRIで頭の状態を見ても特におかしいところはありませんでしたが、先生から指摘されたのは血液がドロドロになっていること。舞台ではガーッと大声でしゃべって、そのあとピタッと黙るということが何度も繰り返すような内容だったので血圧が上がったり下がったりしたんです。加えて、初日に前日に壮行会を兼ねてスタッフと焼肉に行って、目いっぱい食べて飲んだので、血液がドロドロになったんだということでした。

それ以来食事に気を付けてらっしゃるんですね。

そうですね。思い返せば小学生のころから立ちくらみを感じることが多く、今でも急に立ち上がるとクラ~っとすることがあるので虚血になりやすい体質なんだと思います。だから、今では血液がドロドロにならないように、毎日の食事量、特に糖質を控えるようにするのと、お酒の量を飲み過ぎないように気を付けています。

運動もされていますか?

仕事柄外を歩き回るのが難しいので、部屋でできることをしようと思って始めたのがスマートフォンで動画を見ながらの体操です。NHKのテレビ体操やYoutubeに掲載されている基礎代謝アップや筋力アップのための体操動画を見ながら週に3回くらいやっています。この年齢になると冬場は手足の指が冷え切ってしまいますが、体操をするとポカポカしてきて、終った頃には全身汗だくになります。簡単に始められるので、皆さんもぜひやってみてください(笑)

3歳のお子さんのお父さんでもありますね。

子どもの相手するのもいい筋トレです(笑)。もう14kgもあるのですが、肩車やぐるぐる回すのを何度も繰り返しさせられるので、胸や腕の筋肉を付けるのに最適です(笑)。あと子どもに合わせると、こちらの生活サイクルもよくなります。健康診断でこれまでで一番いい数字になっているのも、子どもと一緒に風呂にはいって、夜9時代には寝ちゃうという生活に切り替えたおかげですね。

現在の目標は?

子どもが20歳になるまでは元気に仕事をしていかなければならないですね。それに、私は楽器を演奏するのが大好きなのですが、私が85歳になったときに子どもと一緒にライブハウスでライブを開催するのが夢なので、これからも元気でい続けなければならない。そのためにも、普段から健康に気を付けていかなければならないなと思っています。

ライブの話も出ましたが、アルバムをリリースするなど、音楽家としての一面もお持ちですね。

この年まで楽器なんかやったことがないという人こそ、楽器を始めてみることをオススメします。指を使うのでボケの防止になりますし、音楽仲間ができれば楽器を弾くだけでコミュニケーションが取れます。精神的にもとても明るくなると思います。私の仲間にも50歳を超えてから楽器を始めたという人も多く、遅すぎるということはありません。

ご自身の経験から健康について読者へのアドバイスがあれば教えてください。

「楽しい」「うれしい」「おいしい」と感じることが一番大事なんじゃないかなと思います。健康じゃなくなるとそういったものを感じなくなりますし、感じなくなると健康でい続けたいとも思わなくなってしまいます。手前味噌ですが、今回の舞台『夫婦漫才』は笑って泣けるとても素晴らしい舞台です。特に笑うことは健康にとってもとても大事なことですので、ぜひお時間があれば見に来てください。

舞台『夫婦漫才』



原作:豊川悦司
演出:ラサール石井
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央、中村梅雀、川﨑麻世、村上ショージ、竹内都子、吉沢京子、正司花江ほか
日程・会場
【東京公演】2月8日~17日 明治座
【大阪公演】2月20~26日 新歌舞伎座
お申込み・問い合わせ 
【東京公演】
明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
【大阪公演】
歌舞伎座テレホン予約センター 06-7730-2222(10:00~17:00)

岩手、山形、仙台、札幌、青森など全国公演ツアーも開催
詳しくはHP(https://www.tohostage.com/meoto/)でご確認ください