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俳優 勝地涼さんインタビュー(2023年4月25日掲載)

テレビや映画、バラエティー番組に活躍の場を広げ、快進撃を続ける俳優の勝地涼さん。今回PARCO劇場にて初の座長を務める、泉鏡花の名作『夜叉ヶ池(やしゃがいけ)』では一体どんなお芝居を心掛けているのでしょうか。また多忙な中でも欠かさない、とっておきの健康法や、尊敬しているあの先輩の「好きなところ」など! 勝地さんの魅力を盛りだくさんにお届けします。


撮影/牧野健人

~勝地涼さんプロフィール

1986年生まれ、東京都出身。2000年『千晶、もう一度笑って』で俳優デビュー。05年、映画『亡国のイージス』で第29回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。近年の主な出演作に、【映画】『アンダードッグ』『サイレント・トーキョー』(20)、【ドラマ】『忍者に結婚は難しい』(23/CX)、『ドクターホワイト』(22/KTV)、『ネメシス』(21/NTV)、『志村けんとドリフの大爆笑物語』(21/CX)、【舞台】『世界は笑う』(22/ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)、『いのち知らず』(21/岩松了演出)、『ゲルニカ』(20/栗山民也演出)、『空ばかり見ていた』(19/岩松了演出)、などがある。

テレビや映画、バラエティー番組に活躍の場を広げ、快進撃を続ける俳優の勝地涼さん。今回PARCO劇場にて初の座長を務める、泉鏡花の名作『夜叉ヶ池(やしゃがいけ)』では一体どんなお芝居を心掛けているのでしょうか。また多忙な中でも欠かさない、とっておきの健康法や、尊敬しているあの先輩の「好きなところ」など! 勝地さんの魅力を盛りだくさんにお届けします。

舞台『夜叉ヶ池(やしゃがいけ)』~あらすじ~

 岐阜県と福井県の県境にある三国嶽の麓の里に鐘の音が鳴り響く、それは竜神(那須凜)と人間の約束の鐘の音、この鐘の音が鳴っている間は、約束が守られている。だが人間の傲慢さと欲の深さによって、鐘が鳴らなくなって約束が破られたとき・・・
 大正2年の夏、激しい日照りが続くとある地方の村に、諸国を旅する学士の山沢学円(入野自由)という男がやってきた。山沢はその村にある三国嶽の麓を歩いている途中、のどの渇きを覚えて、とある家にお茶をお願いし、 お茶をめぐんでくれた娘・百合(瀧内公美)に問わず語りに話をしはじめる。一昨年のこと、萩原晃(勝地涼)という自分の友人の学者が各地に伝わる不思議な物語の収集に出たまま行方知れずになり、その足跡を辿って諸国を旅しているのだと。そこへ百合の夫という男が現れる。その男こそ萩原であった。
 久々の再会を喜ぶ山沢に、萩原は自分がこの地に住みついた「いきさつ」を語るのだった・・・。

1913年に日本幻想文学の先駆者・泉鏡花が発表した戯曲『夜叉ヶ池』。勝地さんは主人公の鐘楼守・萩原晃を演じます。物語の魅力を教えてください。

 何と言っても、泉鏡花さんが書かれたセリフの美しさだと思います。冒頭に、「鐘の音が鳴っていて水が綺麗だ…」というセリフから始まるのですが、言えば言うほど、どんどん美しくなるというか。情景を想像させる魅力があると感じています。
 泉鏡花さんと聞くと、読んだことがない方にとっては「難しいかな…」と構えてしまうかもしれないですが、物語の内容としてはすごくシンプルだと思います。美しい日本語と、ゆったりとした時間が劇場に広がるといいなと思います。そういった空間を作り出せるように、稽古を頑張っている最中です。

勝地さんは各地に伝わる不思議な物語を収集する役どころですが、ご自身との共通点はありますか。

 劇中では、地方のあらゆる面白い話を聞こうとして北陸方面に行ったときに、「鐘を3回鳴らさないと池から津波が起こる」という伝説と出会ってしまいます。その鐘を50年以上に渡って鳴らし続けている鐘楼守が急病で倒れてしまい、「大丈夫、俺が鐘をつくから」と安心させて、そのまま気づけば3年の月日が流れている。
もし自分が旅先で不思議なことに遭遇して、そこに困っている人がいたら、助けるために居続けるっていう気持ちは分からなく無いです。でもその反面、自分は東京で仕事をしないといけないという葛藤もありそう。

今回、勝地さんはPARCO劇場にて初座長を務めます。

 PARCO劇場は10代の頃から観に行っていて、舞台に立たせていただいたことも二度あります。演じる側も観る側も作品の中に入っていける感じがする、とても素敵な劇場だと思います。そこで座長をやらせてもらえるというのは、本当に有難いです。座長をやっている勝地涼、珍しいので(笑)ぜひ劇場に足を運んでください!

勝地さんはテレビや映画などへのご出演が多い印象なのですが、舞台となると芝居の仕方を変えたり、意識していることはありますか。

 特に変えてないです。テレビや映画は役者の感情を代弁するような音楽や、表情のアップとかがあって、見る側としては感情移入しやすいと思います。それに比べて、舞台では役者が心の中で悲しんで芝居をしていても、観る側には伝わりづらくて「ただ立っているだけ」と思われかねない。だからこそ、心象の表現は工夫しなきゃと思うし、お客さんに届けようと意識しています。

さまざまなメディアに引っ張りだこで多忙な勝地さんかと思いますが、健康面で気をつけていることはありますか?

 僕の一番の元気の源は「運動」です。キックボクシングがとても好きで、7年くらい続けています。20代の不規則な生活を今も続けていたらどこかに不調がでていたと思うから、キックボクシングを始めて良かったと思います。仕事が落ち着いているときは週2~3で行っていて、忙しくても週に1回はなるべく行くようにしています。

お体の方は十分健康ですね。心の面、ストレスが溜まったときの対策法はありますか?

 ストレスは、溜める前になるべく「出す」ことを心掛けています。実は意外と神経質なところもあって。例えば舞台をやっていたりすると、そのことばかり考えてしまって。役に入り込む訳ではないですけど、「心ここにあらず」状態になります。だからキックボクシングやサウナで、ストレスが溜まる前に「吐き出す」ことを大切にしています。

キックボクシングは、高齢の方でもチャレンジできるものなのでしょうか?

 僕が通っているジムには、年配の方もたくさんいらっしゃいます! 何歳でも挑戦できるのがキックボクシングの良いところでもあります。バンバン打つだけじゃなくて、パンチをするために腕を出したり引いたり、腕や足、すべて対角に動かすから健康的でとても良いと思います。ぜひ、僕と一緒にキックボクシングをやりましょう!(笑)

現在36歳の勝地さんですが、目標とされている方はいますか。

 古田新太さんです。大げさじゃなくて、古田さんのおかげで今の自分があると思っています。先輩としてのかっこよさもあり、友達のような感覚でずっと一緒にいられる安心感もある。時には、真面目な相談にものってくださる。古田さんの客観性を持っているところが好きなんです。僕に対しても、「お前が一人で気持ちよくなるな」とはっきり言ってくれるので。あくまで僕たちは作品の一部であって、お客さんに届けるものを作っているんだって気づかされます。古田さんと会うと元気が出ます。

実は古田さんは昨年の9/1号に出演いただきまして…

 えー! あの人は元気読本には載らない人でしょう!(笑)。健康でいてくださいとは思います。

古田さんとの素敵な関係がお伺い出来て良かったです。今後も活躍が注目される勝地さんの、今後の野望をどうぞ!

 舞台を自分たち主導でやりたいです。過去に一度だけやったのですが、そのときは色々と経験が足りなくて悔しい思いをしました。自分がお客さんを呼べる役者になるとか、課題はたくさんありますが、今後もチャレンジしたいなと思います。とにかく貪欲に夢をいっぱい持ち続けたいです!

【東京公演】2023年5月2日(火)~23日(火)PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)

【作】
泉鏡花

【演出】 森新太郎
【振付】 森山開次

【出演】
 勝地涼
 入野自由 瀧内公美 那須凜
 山本亨 伊達暁 森田甘路 澄人 田中穂先 佐川和正 佐藤誓 ほか

【企画・製作】株式会社パルコ
【公式サイト】https://stage.parco.jp/program/yashagaike
【公演に関するお問い合わせ】パルコステージ(03-3477-5858)