カメラマン:牧野健人 ヘアメイク:久保マリ子 スタイリスト:宮本茉莉 1952年2月22日、福岡県生まれ。1971年に演劇活動を始め、1980年代から独自のスタイルで“一人芝居”を確立。90年代には海外からも招致され、NY、ベルリン、ミュンヘン他、数多くの都市で上演を果たす。現在一人芝居は『右往沙翁劇場』と称して毎年全国各地で公演し、さらに映画、ドラマにも多数出演。19年NHK朝ドラ「スカーレット」21年大河ドラマ「青天を衝け」23年「どうする家康」などでその存在感を放っている。現在、雑誌「coyote」に連載していた「宮沢賢治再訪」を「人情列車」として発売中。 「一人芝居」の第一人者として独自のスタイルで活躍を続けるイッセー尾形が挑む最新作。今年は宮沢賢治作品に着想を得て執筆した新著『人情列車』の刊行を記念し、『右往沙翁劇場【番外編】銀河鉄道に乗って』と題して、一人芝居を展開します。街角の愛らしい人々の姿や、心に残る言葉をすくい上げ、観客の想像を膨らませるイッセー尾形ワールドが全開。愛らしくもユーモラスな登場人物たちが次々に立ち現れ、舞台は思いがけない展開へ。演目の詳細は当日のお楽しみです。 「もう作るものはないかな」と思って一人芝居をやめたのが2013年の暮れでした。それからしばらくはおとなしくしてたんですけど、「いや、まだできることがあるな」と思ったんです。ちょうどその時、「夏目漱石で一人芝居をやりませんか?」とお話をいただいて、取り組み始めたのがきっかけでした。夏目漱石の作品は主人公がよく知られていますけど、その周りにいる登場人物も魅力的なんです。『明暗』に登場する上司の奥様なんてまさに“業の塊”のような人物(笑)。そんな一癖も二癖もある副登場人物たちをまとめて、一人芝居として表現できるかもしれないと思ったんです。 はい。でも、年齢は関係ないんです。例えば、歌手の方がテレビで汗をかいて歌っている姿を見ると、自分もそうありたいと思うし、これからも舞台で汗をかいていたいと思うんです。そうなりたいと思う気持ちは、年齢関係なくやってきます。肉体はどうしても衰えていきますが、心は年を重ねるごとに純粋になっていくな、と感じますね。その分頑固にもなるんですけど(笑)。考え方がより深くなったのは、年を重ねたからこそだと感じますね。 一番大事なのは、舞台上で“見えない相手”をお客さんに見せられるかどうかです。「見えないけど、確かにそこにいる」と思ってもらうには、必要以上にペコペコしたり、必要以上に偉そうにしたりする。その“必要以上”の部分が、お客さんの想像を呼び起こすんです。これが難しくて、初演の頃はなかなか思うようにいかずに、舞台裏の駐車場で何度も稽古していましたね。 今回は宮沢賢治がテーマです。ただ最初は「これ、どこが宮沢賢治?」とお客さんは戸惑うと思います(笑)。次に「あ、やっと出てきた」と少し賢治らしさを感じてもらい、最後に「イッセー尾形は賢治をこう解釈したのか」と思っていただけたら嬉しいです。あとは、自由に想像することを楽しんでほしいですね。あれしちゃいけない、これしちゃいけないという制約を取っ払って、思い切り想像力を解き放っていただきたいですね。 ピラティスですね。フリーになったときに出会って、もう10年以上続けています。体幹のインナーマッスルを鍛えて、無駄のない動きを手に入れる。自分の体と向き合う時間で、とても面白いですよ。いずれは、自分の体を自由自在に操れるようになりたいですね。あとは自転車に乗ることと散歩ですかね。自宅近くの土手まで自転車で20〜30分走って、そこから20分ほど散歩します。20分以上運動をすると筋力がつくと聞いたので、その時間を目安にしているんです。 ミステリー小説をよく読みます。新しい作品よりも、以前読んだものを読み返すことが多いんです。でも大体、犯人を忘れているんですよ(笑)。読み進めて「あ、そうだった」と気づく、その繰り返しが楽しいんです。つまりは、作品そのものというより、“忘れている自分”を楽しんでいるんです。年を重ねるほどに、毎回新鮮な気持ちで出会える。まとめると、「忘れること」が心の健康につながっているのかもしれません(笑)。 全国津々浦々舞台をやっていますので、ぜひ観に来てください。必ず元気になれます。舞台の空気を感じて、沢山笑っていただければ嬉しいです。2〜3県、いや4県くらいはまたいででも観に来ていただければ(笑)。お待ちしています。
【兵庫公演】 日程:2025年11月14日(金)~16日(日) 会場:神戸朝日ホール 【東京公演】 日程:2025年12月5日(金)~7日(日) 会場:有楽町朝日ホール 出演:イッセー尾形 お問合せ:サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00) 兵庫公演主催:朝日新聞社/神戸朝日ホール 東京公演主催:朝日新聞社/有楽町朝日ホール
~イッセー尾形さんプロフィール~
舞台紹介『イッセー尾形の右往沙翁劇場【番外編】銀河鉄道に乗って』
今年で芸歴54年。60歳でフリーに転身され、新たな一歩を踏み出されました。再出発の背景には、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

60歳からの再出発は、大きな挑戦でもあったのでは?
代名詞でもある「一人芝居」。その表現で、特に大切にしていることは何でしょうか?

今回の作品の見どころを教えていただけますか?
舞台に立ち続けるために、日々心がけている健康習慣はありますか?

心の健康のために大切にしていることはありますか?
最後に、『元気読本』の読者へ元気の輪が広がるメッセージをお願いします。
ありがとうございました!








