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喜劇役者 三宅裕司さんインタビュー(2021年4月25日掲載)

主宰する劇団では演出と出演をし、テレビ番組の司会者からラジオパーソナリティ、ビッグバンドのバンマスなど、デビューから長年経つ現在も才能を遺憾なく発揮し続ける三宅裕司さん。今回のインタビューでは、5月30日から上演予定の熱海五郎一座 『Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー ~日米爆笑保障条約~』の見所と、ご自身の健康についてお話を伺いました。


撮影/梁瀬玉実 〈取材協力〉スタイリング/加藤あさみ(Yolken)

三宅裕司さんプロフィール

1951年、東京都出身。79年、ミュージカル・アクション・コメディーを旗印に『劇団スーパー・エキセントリック・シアター』を結成。その後、『三宅裕司のヤングパラダイス』(1984年~)、『三宅裕司のイカすバンド天国』(1989年~)など数々の冠番組を持つ。06年に『熱海五郎一座』を座長として旗揚げし、14年に新橋演舞場に進出。以降、毎年公演を行っている。

 主宰する劇団では演出と出演をし、テレビ番組の司会者からラジオパーソナリティ、ビッグバンドのバンマスなど、デビューから長年経つ現在も才能を遺憾なく発揮し続ける三宅裕司さん。今回のインタビューでは、5月30日から上演予定の熱海五郎一座 『Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー ~日米爆笑保障条約~』の見所と、ご自身の健康についてお話を伺いました。

東京の喜劇・軽演劇を継承しようと、06年に三宅さんが座長として旗揚げした『熱海五郎一座』。
毎年5万人もの観客を動員する人気シリーズが2年ぶりに上演されます。

 今回の作品は太平洋戦争終盤のサンフランシスコが舞台です。はじめに作家の吉高さんと「戦後の闇市を背景に、ジャズシンガーの生き様を描きたいね」と話していて。設定は吉高さんが考えて、僕はその中にギャグを盛り込んでいきました。

物語は、日系アメリカ人ジャズバンド『ツインズ』を中心に、コミカルに展開していきます。

 僕はバンドメンバーとしてウッドベースを担当します。今回初めて弾いたんですけど、これがまぁ難しい(笑)。最初は手が痛くて10分ほどしか持たなかったので、まずは手の筋肉を鍛えて、慣らす作業から始めて。それから徐々に30分~1時間と練習できるようになりました。

エレキベースとはまた違った難しさがあると。

 まずサイズと重さが違いますからね。地面に置いたのを傾けて、身体で押さえながら弾くっていう。指導してくださった先生からは、「まず基本の形を鏡で見ろ」と言われました。姿勢が悪いと結局変なクセがついちゃって、上手く演奏できないんですよ。

今回、バンドをテーマにしようと思ったのは?

 幼少期からずっと笑いと音楽が好きで。中学生のころにザ・ベンチャーズのコピーを始めて、大学ではジャズコンボバンド、コミックバンドと、それぞれ本格的にのめり込んでいきました。28歳のときに立ち上げてから40年以上経つ『劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)』も「ミュージカル・アクション・コメディー」をコンセプトにした劇団ですし、とにかくかっこよくて楽しい音楽が大好きなんです。

『熱海五郎一座』は、豪華ゲストの参加も大きな魅力ですよね。

 今回は紅ゆずる(元宝塚歌劇団星組トップスター)さんと、横山由依(AKB48)さんをお招きしました。「戦後のジャズ」をテーマにする上で、ダンス、歌、楽器などに素養のある方が良いなと思って。あと、もちろん「笑い好き」であることも。
 紅さんは宝塚でトップスターとして活躍している時からお笑いが大好きと聞いていたし、横山さんに関してはドラムが叩けるということを知って、「今回の作品にぴったりだな」と思いましたね。

ギャグの内容はゲストのお二人と話し合って決めたのでしょうか。

 稽古場が始まったらコミュニケーションは密に行いますが、最近はオンラインの色々なサービスでご本人の演技を見ることができますからね。事前に下調べをした上で、作家と話し合って中身を決めていく感じです。あと、『熱海五郎一座』で言えば「東京喜劇」がコンセプトなので、関西の笑いで押していくのはやめよう、とか決めたり。今回のゲストお二人は偶然にも関西出身だったので(笑)。

三宅さんにとっての「東京喜劇」とは?

 「かっこいい部分」と「ズッコケる部分」の落差をいかに大きくするか、ということを意識しています。今回の作品でいえば、ジャズはまさにかっこいい部分。そこにギャグを混ぜることで、「かっこいい演奏をしたヤツらが、こんなバカなことをやっている」というギャップが生まれますよね。その落差が大きければ大きいほど、トータルで「かっこいい」印象が残る。そんな作品を「東京喜劇」と定義しています。
 ステージも3時間と長いので、多少シリアスな要素を入れてストーリーに芯を持たせるようにしています。お客さんに笑ってもらうことはもちろんですけど、やっぱり最後は感動してほしいですから。

今年、古希をお迎えになる三宅さんですが、まだまだ現役で活躍されています。
日々の体調管理はどのように?

 60歳で大病を経験したことを機に、健康には気遣うようになりました。コロナ禍になってからは特に免疫力。自然の素材から作られたサプリメントと、病院で処方してもらった血液検査の数値を改善する薬を併用しています。東洋医学と西洋医学、両方の知識をバランスよく取り入れることで、病気に負けない身体になるんじゃないかと。

60歳のころの大病というのは?

 脊柱管狭窄症です。我慢しながら仕事を続けていたら、腰あたりで神経が止まって両足が動かなくなってしまったんですね。手術をしてリハビリを重ねて動けるようになったときは「奇跡の復活だ」と言われましたけど、手術で治してくれた西洋医学の先生には本当に感謝しています。それからお医者さんの話をよく聞くようになり、今の健康意識につながったのかな、と。

病気を経験されて、気づいたことはありますか。

 よく「生きがいのある仕事をしろ」と言いますよね。でも生きがいのある仕事って、休まずに出来てしまうのが問題で。「モノを作る仕事」は僕にとってまさに生きがいなので、考えすぎて頭が痛くなろうが、睡眠時間が削られようが、身体が発する危険信号を無視してやり続けちゃうんです。でもそうすると、流石に身体を壊しますよね。
 そのバランス調節をいかに上手くできるかが大事なのだと思います。

お仕事やプライベートで、この先挑戦したいことは?

 挑戦というよりかは、今やっている自分の舞台をあと何年続けられるか、ということです。『熱海五郎一座』だけでも1作あたり37公演ありますから。仮にあと10作を目指したとしても、370公演をやりきる体力が必要なわけで(笑)。
 これから先、健康維持や体力維持のために割く時間が増えていく中で、作品づくりに当てる時間をどれだけ確保するか……。時間との戦いですね。

最後に読者にメッセージを。

 僕の仕事は「笑い」を作ることですが、笑うことはつまり、「楽しく生きる」ということ。これまでの病気の経験を踏まえても、笑いがどれだけ健康に良い影響を与えるか、身を持って感じてきました。
 だから、たとえ色々な悩みがあったとしても、その日の悩みはその日のうちに忘れて、楽しく笑顔で過ごしてほしい。自分で自分を好きになって、面白がること。それが元気のもとだと思います。



熱海五郎一座
Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー ~日米爆笑保障条約~

【作】吉高寿男
【出演・構成・演出】三宅裕司
【出演】渡辺正行 ラサール石井 小倉久寛 春風亭昇太
    東貴博(交互出演) 深沢邦之(交互出演)
    劇団スーパー・エキセントリック・シアター
【ゲスト】紅ゆずる 横山由依(AKB48)
【会場】新橋演舞場
【日程】2021年5月30日(日)~6月27日(日)全37公演

【チケットに関するお問い合わせ】
チケットホン松竹 0570-000-489(10:00~17:00)または、03-6745-0888